研究課題/領域番号 |
21K08730
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
雨宮 秀武 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (70377547)
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研究分担者 |
河野 寛 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任准教授 (40322127)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | マクロファージ / M-CSF / 肝細胞癌 / ジエチルニトロソアミン / M-CSF受容体拮抗剤 / 非アルコール性脂肪肝 |
研究開始時の研究の概要 |
、本研究では十全大補湯の①高脂肪食摂取による脂肪肝と肝線 維化の改善、②肝内酸化ストレス軽減による肝発癌抑制、③脂肪細胞活性化抑制によるメタ ボリック症候群改善効果を検証し、NAFLDを背景とした肝細胞癌発症における肝マクロファ ージ関与の詳細な機序を解明する。これによりNAFLD(メタボリック)肝細胞癌に対する肝 マクロファージを標的とする新規治療体系の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
【目的】肝細胞癌(HCC)発症と進展における、背景肝に発現するマクロファージ(Mφ)成熟因子であり炎症のマーカーであるM-CSFの関与と、M-CSF受容体抑制剤のHCC増殖・発癌抑制効果を検討した。【方法】I:M-CSF欠損(op/op)とlittermateマウス(LT)にジエチルニトロサミン(DEN)を投与し肝発癌率と肝内のM1-type Mφ/M2-type Mφ比および血管新生因子(VEGF)発現を検討した。II:手術標本でM-CSF・新生血管発現、M2Mφ分布と、手術後の生命予後を解析した。III:分離肝Mφと単球を、M-CSF存在下で共培養しVEGF産生、血管内皮細胞(VEC)増殖を検討した。IV:マウスHCC株MH134を同系マウスへ皮下移植モデルヒトHCC細胞株(Huh-7)のヌードマウス脾臓移植モデル、さらに炎症性肝発癌モデルであるDEN誘発肝癌モデルを作成し、M-CSF受容体拮抗剤GW2580の投与効果を検討した。【結果】I:op/opで発癌率がLTと比較し有意に低下。DEN投与後のop/opで腫瘍周囲のM1/M2 Mφ比,、血管新生がLTと比較し有意に減少した。II:M-CSF、新生血管発現の高発現群においてDFSが有意に短縮していた。M-CSF発現は独立した予後因子であった。III:肝Mφと単球は、M-CSF存在下でM-CSF濃度依存性にVEGFを産生し、肝Mφで有意に亢進していた。VECはM-CSFと肝Mφの共培養条件下で増殖が最も亢進していた。IV:マウスHCC株ならびにヒトHCC細胞株においてGW2580投与により腫瘍増殖が有意に抑制した。さらに、DEN肝発癌モデルにおいてもGW2580投与で有意に肝発癌を抑制した。【考察】M-CSFを分子標的とするHCC新規個別化治療の可能性を示唆する結果であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度に予定している検討は90%程度終了出来た。マクロファージの活性化の検討と主要八章への関与の検討がすべて終了できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度に予定している中鎖脂肪酸による肝マクロファージの活性化抑制機序の解明と、腫瘍抑制効果の機序に関する検討を行い、今後は、M-CSF受容体拮抗 剤の投与効果に関する検討を開始していく予定である。
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