研究課題/領域番号 |
21K08732
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
増井 俊彦 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (20452352)
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研究分担者 |
長井 和之 京都大学, 医学研究科, 講師 (30567871)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 胆管癌 / オルガノイド / 腫瘍内不均一性 / ドパミン / 癌幹細胞 / ウィントシグナル / 幹細胞 / 神経浸潤 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの研究で、胆管癌はその特殊な解剖学的背景から局所進展に神経との相互作用があると仮定、腫瘍の形質を保持したまま培養可能なヒト胆管癌を、神経組織と接触させたところ神経周囲で胆管癌の増加が見られ、神経組織からのシグナルが胆管癌の増加に関係していることが明らかになった。本研究では、この研究を下に、神経からの胆管癌に対するシグナルの解析を行い、胆管癌の特徴である局所の神経浸潤に至るメカニズムを解明する。さらに、局所での再発の多い胆管癌の再発メカニズムへの展開と、今回のメカニズムを用いた局所再発の予防薬の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
胆管癌と神経組織は親和性が高いことから、本研究ではニューロトランスミッターと胆管癌の関係を明らかにすることを目的として研究を行った。その一つであるドパミンに着目し、そのレセプターの発現と進展への影響を、細胞株オルガノイドおよびヒト胆管癌組織由来オルガノイドを用いて検討した。オルガノイドにより、5種類あるドパミン受容体のうち、足場非依存性を特徴とする幹細胞性と関与する受容体がD1受容体であること、また、胆管癌は単一ではなく、細胞分化の状態やドパミンシグナルに対する反応が異なる集団であることを明らかにした。また、D1受容体にWnt7bが関与して幹細胞分画の増加と関係していることを明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胆管癌は本邦では年間3500例の胆管癌切除が行われる最難治癌の一つである。また、薬物治療の耐性に関与する癌幹細胞は胆管癌に関してこれまで明らかとなっていない。本研究では胆管周囲の神経に拡がる浸潤癌は成績が極めて不良であることから、胆管癌と神経組織の相互作用に着目し、神経組織から分泌されるドパミンに反応するドパミン受容体が胆管癌における幹細胞フェノタイプに関係していることを明らかにした。さらにWnt7bが幹細胞増加に重要であることを突き止めたことから、今後、この難治癌である胆管癌に対して、Wnt7bをターゲットとした治療開発により、薬物耐性改善による治療効果増強を目指すことにつなげる。
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