研究課題/領域番号 |
21K08747
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
有明 恭平 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (10754921)
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研究分担者 |
佐藤 聡子 東北大学, 大学病院, 助教 (30815957)
大塚 英郎 東北大学, 大学病院, 講師 (50451563)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | CIM / ヘキソサミン合成経路 / GFPT2 / 膵癌 / 化学療法 / 転移 / ヘキソサミン経路 / 抗癌剤 / ヘキソサミン |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は膵癌細胞株にGemcitabineを曝露することでGFPT1のサブタイプであるGFPT2の発現が上昇することを明らかにし,抗癌剤治療がHBPの活性化を介して薬剤への耐性化や,EMTを介した転移形成を促進している可能性があると考えた.本研究の目的は①抗癌剤投与後の癌細胞において,HBPの活性化による癌の悪性化が生じているかを明らかにし,②HBPを阻害することで抗癌剤投与による癌の悪性化が抑制されるかを検証することである.
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研究成果の概要 |
本研究は膵臓癌において抗癌剤治療を投与することでその発現が上昇するGFPT2の機能解析を行ったものである.マウスを用いた検討ではゲムシタビンを投与することで,残存腫瘍におけるGFPT2の発現が上昇していることが明らかとなり,細胞株を用いた検証にて,GFPT2の発現がヘキソサミン合成経路の活性化を介して細胞の移動浸潤能を亢進していることが示された.これらの結果は膵癌において抗癌剤による転移能の亢進というchemotherapy-induced metastasisにヘキソサミン合成経路が寄与している可能性を示すものである.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌治療において抗癌剤治療は必須である.しかしながら長期間にわたる抗癌剤治療によって,腫瘍は次第に増大するとともに,やがて多数の遠隔転移を形成するようになる.近年抗癌剤治療そのものが遠隔転移を誘導するというchemotherapy-induced metastasis(CIM)という概念が提唱されている.本研究によってCIMにGFPT2を介したヘキソサミン経路(HBP)が関与していることが示された.HBPには多数の阻害剤が開発されていることから,今後これらの薬剤を用いた新たな治療戦略の開発につながるものと考える.
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