研究課題/領域番号 |
21K08773
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
問山 裕二 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00422824)
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研究分担者 |
川村 幹雄 三重大学, 医学系研究科, 助教 (00722589)
大北 喜基 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20378342)
奥川 喜永 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (30555545)
藤川 裕之 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (40616091)
今岡 裕基 三重大学, 医学系研究科, 寄附講座助教 (70762938)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 潰瘍性大腸炎 / 大腸癌 / DNAメチル化 / エピゲノム / ゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は潰瘍性大腸炎の癌化に関与する既知のgenetic異常ならびに網羅的に解析したepigenetic異常を解析し、大腸癌合併潰瘍性大腸癌患者を早期診断可能とする体液を用いた低侵襲なバイオマーカー開発を目標としている。また、epigenetic異常であるDNAメチル化、miRNAに着目することでそれにより制御される遺伝子発現に着目し、新たな潰瘍性大腸炎癌化のメカニズムを解明することで、新たな治療戦略を確立し、潰瘍性大腸炎患者の予後・QOLの向上を目指すことを目標とする。
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研究実績の概要 |
本研究は潰瘍性大腸炎の癌化に関与する既知のgenetic異常ならびに網羅的に解析したepigenetic異常を解析し、大腸癌合併潰瘍性大腸癌患者を早期診断可能とする体液を用いた低侵襲なバイオマーカー開発を目標としている。また、epigenetic異常であるDNAメチル化、 miRNAに着目することでそれにより制御される遺伝子発現に着目し、新たな潰瘍性大腸炎癌化のメカニズムを解明することで、新たな治療戦略を確立し、潰瘍性大腸炎患者の予後・QOLの向上を目指すことを目標としている。 研究方法として、潰瘍性大腸炎患者の癌部、非癌部ならびに大腸癌合併UC患者のUC大腸粘膜ならびに癌部と大腸癌患者の正常大腸粘膜ならびに癌部から採取した凍結生標本よりDNAを抽出し、それぞれの群のDNAを用いて網羅的DNAメチル化解析を行い、UC大腸癌部ならびに大腸癌部で共通に高メチル化している癌化関連CpGサイトAを同定した。 当該年度は同定した癌化関連CpGサイトAの潰瘍性大腸炎の大腸粘膜におけるメチル化の意義を当科で施行した手術サンプルを用いて検討した。その結果として大腸粘膜のメチル化は大腸の口側から肛門側に至るにつれメチル化レベルが高くなることが示された。また、発症時年齢、手術時年齢が高い症例でメチル化レベルが有意に高値で、病脳期間が長い症例も有意に高値であった。また潰瘍性大腸炎の癌部と非癌部では有意に癌部でメチル化レベルが高く、このCpGサイトAのメチル化はAgingならびに発癌に関連することが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
続いて上記の結果に再現性を確認するため、別コホートにて検証を行った。結果として病脳期間の長い潰瘍性大腸粘膜で有意にメチル化レベルが高く、部位では肛門に近い大腸粘膜で有意にメチル化レベルが上昇した。また癌部では明らかにメチル化レベルが高いことも再現された。さらに別コホートによる前向き検証では、潰瘍性大腸炎患者の直腸粘膜のCpGサイトAのメチル化を測定することで、癌を合併しているリスク評価が可能であることが証明された。
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今後の研究の推進方策 |
epigenetic異常であるDNAメチル化による新たな潰瘍性大腸炎癌化スクリーニングが可能であることが示唆され、新たな治療戦略に組み込むことで潰瘍性大腸炎患者の予後・QOLの向上が期待される。 また今後はこの発癌、癌化関連CpGサイトA(OPLAH遺伝子のプロモーター領域)を体液(血液、糞便)などで検証すること、さらにその他のepigenetic異常であるmicroRNAについても検証を続ける。
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