研究課題/領域番号 |
21K08839
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川井 陽平 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (80802347)
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研究分担者 |
古森 公浩 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40225587)
坂野 比呂志 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (80584721)
児玉 章朗 愛知医科大学, 医学部, 教授 (10528748)
杉本 昌之 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (00447814)
新美 清章 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (50467312)
池田 脩太 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (90836503)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ロイコトリエンーリポキシゲナーゼ系代謝物 / 動脈瘤 / アゼラスチン / ロイコトリエン-リポキシゲナーゼ系代謝物 / 血管病 / 腹部大動脈瘤 / 内膜肥厚 / 動脈硬化 |
研究開始時の研究の概要 |
動脈硬化性疾患は、慢性炎症が関与していることが知られている。近年、気管支喘息の治療で用いられるロイコトリエン拮抗薬が心血管疾患に対する新たな創薬として標的となっている。動脈硬化において、ロイコトリエン-リポキシゲナーゼ系代謝物がマクロファージに作用することで炎症性作用を惹起し、動脈硬化の進展に寄与していることが報告されている。これを阻害するロイコトリエン拮抗薬が動脈硬化性疾患に対する新規治療戦略になりうる。 本研究の意義は、ロイコトリエン-リポキシゲナーゼ代謝系を抑制する薬物の血管病に関連する抗炎症作用に関して検討し、動脈瘤、閉塞性動脈硬化症に対する新たな治療戦略を提唱することにある。
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研究実績の概要 |
ロイコトリエン-リポキシゲナーゼ系代謝物がマクロファージに作用することで炎症性作用を惹起し、動脈硬化の進展に寄与していることが報告されている。目的は、ロイコトリエン-リポキシゲナーゼ代謝系を抑制する薬物の血管病に関連する抗炎症作用に関して検討し、血管疾患に対する新たな治療戦略を提唱することにある。アゼラスチンの大動脈瘤に対する治療効果を検討した。 方法:In vivo 24週以上の雄のApolipoproteinE-/-マウスに対し浸透圧ポンプを使用してアンギオテンシンⅡを持続皮下注しマウス動脈瘤モデルを作製した。アゼラスチン群(n=10)にはアゼラスチン 4mg/kg/dayを、生食群(n=7)には生理食塩水を,ポンプを移植した日から連続28日間投与した。毎週大動脈瘤径をエコーで測定し、28日後に屠殺し直接大動脈瘤径を測定した。 結果:アゼラスチン群での平均瘤径は1週目1.49mm、2週目1.60mm、3週目1.84mm、4週目1.98mmであり、生食群での平均瘤径は1週目1.56mm、2週目1.90mm、3週目1.97mm、4週目1.97mmであった。28日後の平均瘤径はアゼラスチン群で1.83mm、生食群で1.96mm (p = 0.494)であった。 結論:動脈瘤モデルマウスでは、アゼラスチンによる大動脈瘤拡大抑制効果は認めなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ロイコトリエン-リポキシゲナーゼ代謝系を抑制する薬物であるアゼラスチンではマウス腹部大動脈瘤モデルの動脈瘤拡大を抑制する結果は得られなかった。動脈瘤壁の解析を進める必要があるが、まだ開始されていない。さらに、その他の動物モデル(poor run offモデル、ステント留置モデル)の作成には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
大動脈瘤モデルマウスから得られた動脈壁の中膜のエラスチンの割合、MMP活性、炎症性サイトカイン、M2マクロファージなどを測定して瘤壁の解析が必要と考えられた。
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