研究課題/領域番号 |
21K08959
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
中畑 克俊 関西医科大学, 医学部, 講師 (70332971)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 妊娠高血圧症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
HDPは、母体予後に重大な影響を及ぼす妊娠合併症であるが、HDPにおける高血圧の発症機序は未だ明らかにされておらず、有効な予防法や治療法の開発には至っていない。本研究では、妊婦を対象に機能的磁気共鳴イメージングを用い、安静時の局所脳神経活動データから離れた脳領域間の神経活動パターンの類似の程度としての相関を調べ、脳機能的結合性解析を行う。研究代表者らが行った先行研究での知見をもとに、眼窩前頭皮質、および前帯状皮質における脳ネットワーク結合性の差異が、妊娠期の血圧上昇と直接的な因果関係を持つとの仮説を立て、非妊娠時と妊娠時の時系列データの比較からこれを実証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、同一被験者における非妊娠期から妊娠期、産褥期それぞれにおける脳機能的結合解析をプロスペクティブに行い、先行研究にて見出した眼窩前頭皮質をフォーカスとした前帯状皮質との脳領域間結合特性と血圧データとの関係を網羅的に解析することが目的である。大学倫理委員会の承認のもと、同一被験者を非妊娠期から妊娠終了まで比較的長期間に渡り追跡する計画であり、2022年度は2021年度に引き続きなるべく多くの被験者を募集した。非妊娠女性の被験者の募集は、附属病院生殖医療センターの許諾のもと、生殖医療外来を受診した患者を対象とすることを計画したが、当該患者から同意取得が難しいと判断し、分娩を目的に入院した妊婦から被験者を募ることにした。25例の同意取得が得られたが、8例が自己意思にて中止となった。妊娠を終え月経周期が戻る6ヶ月以降に取得したデータを非妊娠期のものとしてデータ集積を行なった。ネットワーク解析には、SPM8およびMATLABを用い、主成分解析、灰白質抽出を行った。撮像中のHeadmotionの補正、標準化、周波数のフィルタリングはCompCorにて実施した。3テスラの高解像度MRI装置にて安静閉眼状態時のBOLD信号を計測し、6分間の時系列データから0.01-0.1Hzの低周期信号から大脳全皮質内のvoxel(6×6×6mm)における rGCを計算する計画であるが、非妊娠期までの時系列データが集まり次第解析する計画である。血算生化学検査項目に加え、sFlt-1、PlGF、エストラジオール、プロゲステロンの血中濃度を副次的評価項目とするためデータ収集を行なった。また、前頭葉機能の評価方法として、ストループ試験およびトレイルメイキングテストによる神経心理検査、さらに簡易抑うつ症状尺度、エジンバラ産後うつ病自己評価表を用いデータを集積した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
非妊娠時のデータ取得は、妊娠中に高血圧症候群と診断された妊婦が出産を終え6ヶ月以上経過してから月経周期の再開を確認しておこなっており、時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
エントリーした非妊娠期被験者について、妊娠34週から39週の妊娠後期、また分娩後7日以内の産褥期に血圧およびfMRIデータを取得し、副次的項目の評価も行う。各被験者におけるrGCの特性変化を確認し血圧および各種臨床検査指標との関係について解析を重ねる。
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