研究課題/領域番号 |
21K08968
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
北川 裕利 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (50252391)
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研究分担者 |
澤田 規 宝塚医療大学, 保健医療学部, 教授 (20340515)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 心臓マイクロダイアリシス / サイトカイン / 心筋間質 / 吸入麻酔薬 / セボフルラン / マイクロダイアリシス / 心筋虚血 / インターロイキン / エンドトキシン / 麻酔薬 / 心臓マイクロダイアリシス法 / 虚血再灌流傷害 |
研究開始時の研究の概要 |
IL-6やIL-1β、IL-8, TNF-α等のサイトカインは心筋細胞の筋張力低下や細胞ネクローシスを誘導し、左室機能を低下させる。吸入麻酔はこうしたサイトカイン濃度応答にどのような影響を与えるかどうかよくわかっていない。そこで本研究はin vivo心筋マイクロダイアリシス法でサイトカイン濃度を測定できるようにマイクロダイアリシス法を工夫改良する。さらに、この改良したマイクロダイアリシスシステムを用いて、虚血時の心筋間質サイトカイン濃度応答を吸入麻酔薬暴露の有無で比較検討する。
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研究成果の概要 |
In vivo麻酔下ラットに心臓マイクロダイアリシス法を用いて、冠動脈閉塞解放による心筋虚血再灌流時の透析液中のサイトカイン(IL-6、TNF-α)濃度応答について検証した。従来のマイクロダイアリシス法でのサイトカイン濃度の測定は報告がなく、ファイバーの最適化にてIL-6の濃度を測定することに成功した。その結果、冠動脈閉塞時には心筋間質IL-6濃度は上昇し、解放により低下することが観察された。また、その上昇は吸入麻酔薬を投与することで冠動脈閉塞時と解放時の両者ともにvehicle群に比し抑制された。吸入麻酔薬セボフルランは心筋における虚血再灌流障害に対する免疫応答を修飾することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心筋の単離乳頭筋張力の発生やin vivi心筋の収縮・拡張性がサイトカインによって低下するとの報告をもとに以下の研究を行った、心臓マイクロダイアリシス法を改良することでin vivo心筋における心筋間質サイトカイン濃度を測定することができるようにし、虚血時のサイトカイン濃度を測定した。その濃度は虚血時に上昇し、吸入麻酔薬投与下で抑制された。本結果は手術時の血中サイトカイン濃度の上昇を吸入麻酔薬が抑制し、心筋傷害の抑制や心機能維持に寄与できることを示唆する。今後さらなる検証を行うことで吸入麻酔による全身麻酔時の臓器保護効果として、安全な手術治療に貢献ができると思われる。
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