研究課題/領域番号 |
21K09123
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
原 明 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10242728)
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研究分担者 |
富田 弘之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50509510)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | グリオーマ / びまん性浸潤 / 脳腫瘍 / 膠芽腫 / 遺伝子改変 / 動物モデル / ゲノム編集 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は遺伝性疾患の新規治療法として開発された “生体内”ゲノム編集技術を応用して、腫瘍発生・増殖・浸潤の全過程を再現しうるマウスモデルを作製し、「びまん性」、「脳幹部」など本腫瘍の特性を明らかとし、新規臨床バイオマーカー探索や治療法開発の基盤とすることを目的とする。具体的には、CRISPR-Cas9の生体内ゲノム編集システムをアデノ随伴ウィルスベクターに搭載することで、脳内の細胞を個体が生きたまま、細胞レベルの遺伝子を操作する。本研究の成果は、小児悪性腫瘍特有の共通したメカニズムの解明にもつながる可能性を持つ。
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研究成果の概要 |
ヒストンH3K27M変異を導入したマウスグリア細胞(IG27細胞)を用いて、びまん性に浸潤する小児脳幹グリオーマのマウスモデルを作成した。このモデルは、腫瘍細胞の神経周囲浸潤と血管周囲浸潤を再現し、グリオーマの神経周囲浸潤を3次元で初めて撮影することに成功した。IG27細胞ではグルコーストランスポーター1(Glut1)の発現上昇を認め、Glut1が神経周囲浸潤を制御していることが示唆された。さらに、DNP-MRIによるレドックス代謝イメージングにより、びまん性浸潤の評価が可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、小児脳幹グリオーマの病態解明と治療法開発に大きく貢献する成果である。ヒストンH3K27M変異を導入したマウスモデルを作製し、腫瘍細胞の神経周囲浸潤と血管周囲浸潤を再現したことで、この難治性腫瘍の病態をより深く理解することが可能となった。さらに、グルコーストランスポーター1(Glut1)が神経周囲浸潤を制御していることを明らかにし、新たな治療標的としての可能性を示した。また、DNP-MRIによるレドックス代謝イメージングにより、びまん性浸潤の非侵襲的評価法を開発した。これらの知見は、小児脳幹グリオーマの診断と治療の進歩に寄与し、患者の予後改善につながることが期待される。
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