研究課題/領域番号 |
21K09183
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
栗原 康太 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20855803)
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研究分担者 |
福士 龍之介 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (00894065)
廣田 亮介 札幌医科大学, 医学部, 助教 (10815434)
佐々木 祐典 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20538136)
山下 敏彦 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70244366)
押切 勉 札幌医科大学, 医学部, 訪問研究員 (70754612)
岡 真一 札幌医科大学, その他部局等, 准教授 (70789453)
佐々木 優子 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80631142)
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90285007)
小原 尚 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20919732)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 脊髄障害性疼痛 / 骨髄間葉系幹細胞 / 静脈内投与 / 脊髄障害性疼痛モデル / 脊髄損傷 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の脊髄損傷に対する研究は、運動機能の回復に焦点が置かれてきたが、近年は脊髄損傷に伴う二次的影響への関心が高まっている。特に疼痛を含む異常感覚への治療介入によって、ADLやQOLが大幅に改善できることが認識されてきている。本研究では、難治性でかつ有効な治療法が確立されていない脊髄障害性疼痛に対する骨髄間葉系幹細胞 (mesenchymal stem cell: MSC) 治療による治療効果とそのメカニズムを解明し、より効果的な治療法の開発に展開させることを目標とする。
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研究実績の概要 |
脊髄損傷は神経系に壊滅的な損傷を与え、感覚・運動機能障害や臓器不全を引き起こし、世界中で、年間76万人以上の外傷性脊髄損傷の新規症例が発生していると推定されている。さらには脊髄損傷による疼痛は難治性で、有効な治療法が確立されていないのが現状である。 先行研究で、慢性期脊髄損傷モデルラットに対する、骨髄間葉系幹細胞 (mesenchymal stem cells: MSC) の静脈内単回投与が治療効果をもたらすことを報告している。 さらなる運動機能の改善を目指すために、慢性期脊髄損傷モデルラットに対する骨髄間葉系幹細胞(MSC) の静脈内複数回投与をし、その治療効果とメカニズムについて検討した。脊髄損傷作製6週間後に、対照群、単回投与群、複数回投与群、高容量単回投与群に分け、観察期間を投与10週間後までとし、BBB scoreを用いた行動学的解析、脱髄軸索の再有髄化や皮質脊髄路・錐体外路のsproutingを評価した組織学的解析、Ex vivo DTIを用いたMRI解析を行った。行動学的解析、組織学的解析、MRI解析において、MSCを投与したいずれの群も、対照群と比較して改善を認めたが、複数回投与群が最も改善を示した。単回投与群と高容量単回投与群の改善には差異は認めなかった。また、疼痛抑制効果についても、同様の傾向を示した。これらの解析結果により、慢性期脊髄損傷モデルラットにおいて、MSCを複数回投与することにより、脱髄軸索の再有髄化や神経回路のsproutingがより促進され、運動機能のさらなる改善に繋がったと考えられた。慢性期の脊髄損傷患者にMSC治療を適用する場合、複数回の投与がより効果的である可能性が示唆された。
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