研究課題/領域番号 |
21K09250
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
河本 旭哉 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (30420558)
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研究分担者 |
青井 貴之 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 教授 (00546997)
竹森 俊幸 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (20884456)
森下 雅之 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (30814321)
深瀬 直政 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (60579324)
原 仁美 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40437489)
澤田 良子 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (30648308)
秋末 敏宏 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (90379363)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 骨肉腫 / 肉腫幹細胞 / がん幹細胞 / 治療標的 / SPRR1A / 骨肉腫幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
骨軟部肉腫は,発生率が人口10万人あたり3人未満の希少がんであり,その多くが治療抵抗性であり,再発・転移症例においては今日でも治療に難渋することが多い.近年,様々ながん種でがん幹細胞の存在が報告され,がんの再発・転移,治療抵抗性への関与が示唆されている. 我々はiPS細胞作製と同様の遺伝子を既存の骨肉腫細胞株に導入することで,がん幹細胞・骨肉腫両方の特性を併せ持つ人工骨肉腫幹細胞を作製することに成功した.本研究で,我々が作製に成功した人工骨肉腫幹細胞を用いて,骨肉腫の再発・転移,治療抵抗性に関わる因子の発見や治療標的となる因子を同定し,より強力・効果的な新規治療を開発することにある.
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,我々が先行研究で作成に成功した人工骨肉腫幹細胞MG-OKSを用いて,骨肉腫における新たな治療標的の探索を行うことである. 人工骨肉腫幹細胞MG-OKSにおいて親細胞株MG-63よりも有意に発現上昇していたSPRR1Aに着目し,選択的siRNAによる発現阻害を行ったところ,in vitroにて細胞形態変化,細胞増殖能・遊走能の低下をみとめ,in vivoでは腫瘍形成能低下,Ki-67の発現低下をみとめた.さらに網羅的遺伝子解析によって,細胞接着および細胞周期に関わる遺伝子発現が変化することを示した.本研究の結果からSPRR1Aが骨肉腫において新たな治療標的になる可能性が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,希少かつ治療困難な骨肉腫において,研究者らが作成に成功した人工骨肉腫幹細胞を応用して行った初めての基礎研究である.間葉系由来の悪性腫瘍である骨肉腫において,本来着目されにくい上皮系関連因子SPRR1Aの機能を検討し,骨肉腫の細胞形態,細胞増殖,腫瘍形成に関与する可能性を示した革新的な研究である.得られた結果を元に今後さらなる検討を続けることで,骨肉腫における幹細胞機能を解明することに繋がり,骨肉腫の新たな病態理解や治療標的分子の同定とそれらに基づく新規治療開発を行うことが期待出来る非常に有用な成果であり,学術的意義,社会的意義ともに非常に高いものと考える.
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