研究課題/領域番号 |
21K09271
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
関矢 一郎 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 教授 (10345291)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 膝 / 変形性膝関節症 / 骨棘 / レントゲン / 半月板 / 半月板逸脱 / 軟骨 / MRI3次元解析 / 変形性関節症 / レントゲン検査 |
研究開始時の研究の概要 |
1950年代に変形性膝関節症のレントゲン重症度分類が発表されて以来、関節裂隙狭小と骨棘形成の2つの変化は関節軟骨の変化を反映するものと理解されてきた。他方、2010年代になると内側半月板の逸脱が変形性膝関節症の発症・進行に影響することを示す報告が増えたが、レントゲン画像での内側大腿関節の裂隙狭小と骨棘形成は、関節軟骨摩耗と内側半月板逸脱のどちらを反映するものなのか未だ明らかになっていない。そこで変形性膝関節症に対するレントゲン検査の意義を独自に開発したMRI3D解析で明らかにすることを目的とする。レントゲン画像による病態の理解が進み、MRI検査数を減らすことになり、医療費の削減につながる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は変形性膝関節症に対するレントゲン検査の意義を、地域住民コホート研究データを使用し、私たちが独自に開発したMRI3次元解析で明らかにすることである。具体的には①伸展位撮影と屈曲位撮影の内側裂隙の差②脛骨内側骨棘③伸展位撮影と屈曲位撮影の大腿骨内側骨棘の意義を明確にする。本成果により、一般的で低コストのレントゲン検査のみで病態の理解が進み、MRI検査数を減らすことができ、医療費の削減につながる。 初年度はコホートデータを用いて、膝立位正面レントゲン像の内側裂隙幅を測定し、伸展位から屈曲位を引いた値(内側裂隙幅の差)がMRIデータから自動測定した軟骨厚さとMRIデータから手動で測定した内側半月板の逸脱幅のどちらと、より相関するか比較し、伸展位と屈曲位での内側裂隙幅の差)は、軟骨厚よりも内側半月板逸脱幅がより影響することを示した。 2年目は立位正面レントゲン像での骨棘幅と裂隙幅の意義を検討した。MRI3次元解析から内側大腿脛骨を18のサブ領域に分けて軟骨厚さを求め、サブ領域ごとに軟骨厚と内側脛骨骨棘幅の相関係数を求め、最も相関係数の絶対値が大きいサブ領域を決定した。またMRIから内側半月板逸脱距離(MME)を求め、内側脛骨骨棘幅との相関係数を求めた。相関係数の絶対値は、骨棘幅と軟骨厚の間で最大0.33、骨棘幅とMMEの間で0.76であり、MMEの方が軟骨厚よりも有意に高かった。そのことから、脛骨内側の骨棘幅はMMEを強く反映し、内側関節裂隙幅は軟骨厚さをある程度反映していることを明らかにした。本研究成果はJ Magn Reson Imagingにpublishした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度までに2編の英語論文をpublishさせる計画を達成したため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究を踏まえ、最終年度は、伸展位撮影と屈曲位撮影の大腿骨内側骨棘は何を反映するかを検討する。これまでと同様に、地域住民コホートデータを用いて、大腿骨軟骨を9つのサブ領域に分けて軟骨厚との関連を解析することにより、大腿骨内側骨棘との関連を見いだせる可能性が高い。
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