研究課題/領域番号 |
21K09294
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武冨 修治 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70570018)
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研究分担者 |
齋藤 琢 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30456107)
小俣 康徳 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (40570734)
乾 洋 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (60583119)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 関節炎モデル / 慢性疼痛 / 神経障害性疼痛 / 後根神経節 / JAK-STAT pathway / 関節炎 / 変形性関節症 / 関節リウマチ / アロディニア / JAK-STAT経路 |
研究開始時の研究の概要 |
変形性関節症(OA)や関節リウマチ(RA)の慢性疼痛は未解明な点が多いが、近年OAやRAの慢性疼痛に神経障害性疼痛の機序が関与することや、神経障害性疼痛の発症への細胞内シグナル伝達経路JAK-STATの関与が報告されている。本研究では関節疾患の慢性疼痛のメカニズムを網羅的に解析すべく、OA、RA、神経損傷モデル動物を対比させながら、最新の機器を用いて行動解析と組織学的解析、遺伝子発現解析を行い、JAK-STATを介した慢性疼痛の制御機構を解明する。そして慢性疼痛の責任細胞、責任シグナルを同定した上で関節疾患における慢性疼痛の治療標的としての可能性を検証し、将来の臨床応用への足掛かりとする。
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研究成果の概要 |
変形性関節症や関節リウマチなどの関節疾患に伴う慢性疼痛には神経障害性疼痛の機序が関与することが近年報告されている。我々は関節炎モデルマウス(CAIAモデル)で生じるアロディニアに対して、JAK-STAT pathway阻害薬の内服が有効であることを見出した。RNA-seqを用いた後根神経節(DRG)の遺伝子発現解析では、対象群であるNSAIDsと比較して、DRGにおける炎症や免疫に関連する遺伝子発現を有意に抑制し、非関節炎群に近似した発現状態に改善させていることを解明した。さらに組織学的解析では、脊髄におけるグリア細胞活性が抑制されることも示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国内の変形性関節症患者数は2,530万人に上り、痛みに苦しむ患者数は780万人と推定されているが、長期的に有効となる鎮痛剤がない。関節リウマチも国内の患者数は100万人程と推定されており、生物学的製剤の登場により関節破壊が重症化する患者は激減したが、それでも痛みがコントロールできない患者は多く残されており、いずれもアンメットニーズである。本研究は関節炎により伴う慢性疼痛の機序の解明ならびに責任分子を同定することで、新たな治療標的に対する臨床応用への足掛かりとなりアンメットニーズを解決できる可能性を秘めている。
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