研究課題/領域番号 |
21K09322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
栗山 新一 京都大学, 医学研究科, 講師 (90722942)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 軟骨弾性係数 / 変形性膝関節症 / 外傷性軟骨損傷 / 低侵襲 / 高精度 / 早期診断 / インデンテーション法 / 機器開発 / 軟骨硬度 / 初期軟骨損傷 / 測定器械 / 関節鏡 / 関節軟骨 / 硬度 / 再生医療 / 硬度計測 / 膝関節鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
近年再生医療など、多様な関節軟骨修復治療が臨床応用されている。しかし、従前の治療効果判定では、修復軟骨が運動に耐える正常硝子軟骨同等の硬度に達しているか、力学評価ができていない。よって、本研究では、関節鏡手術時に低侵襲で高精度に軟骨硬度が計測できるデバイスを開発し、正常と異常軟骨の力学的情報を収集、データベース化することである。令和3年度は、人工膝関節手術で切除された骨軟骨を生体外で硬度測定、令和4年度は、膝関節鏡視下で移植された自家軟骨もしくは培養軟骨を生体内で軟骨硬度計測、令和5年度は、動物に移植したiPS軟骨の硬度を測定する。
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研究成果の概要 |
本研究は、膝関節軟骨弾性率を新開発測定器で肉眼的評価を行った。人工膝関節を受けた変形性膝関節症50膝から骨軟骨切片を採取した。International Cartilage repair Society(ICRS)軟骨グレードおよび組織学的所見であるMankinスコア、軟骨厚と軟骨弾性率を比較した。 ICRSグレード0~2の正常から中等度軟骨損傷は、軟骨変性が進行するほど弾性率は有意に低下した。また弾性率はMankinスコアと相関、Mankinスコア悪化と軟骨弾性率低下が最も関連する因子で、次いで軟骨厚肥大であった。この新しい軟骨弾性係数測定器は、早期軟骨損傷の非破壊的診断法となる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
軟骨損傷はどの関節でも起こり、予防策を講じられるが、現在医学で超初期軟骨損傷を検知できる術がなく、MRIのみならず関節鏡を行なっても肉眼的に検知できない。一方、再生医療が活発に開発され、若年患者を中心に積極的に施行されている。しかし再生医療後に正常軟骨が再生されたか判断指標がない。本開発品を低侵襲に施行可能な関節鏡と併用することで、一見正常軟骨に見える軟骨であっても、本開発品を用い、軟骨軟化を検出することで超初期軟骨変性を診断できる。早期治療介入の判断材料になり、医療経済的に社会的意義の高い開発品と考える。また再生医療の治療効果も硬度を基準に判断できる可能性があり、学術的意義も高い研究である。
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