研究課題/領域番号 |
21K09333
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
工藤 理史 昭和大学, 医学部, 教授 (60621985)
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研究分担者 |
豊根 知明 昭和大学, 医学部, 教授 (10407918)
石川 紘司 昭和大学, 医学部, 講師 (40794946)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | dropped head syndrome / cervical spine / deformity / degeneration / 首下がり / 前方注視障害 / 嚥下障害 / アライメント / 胸腰椎圧迫骨折 / 頸椎手術 / 脊柱変形 / 病態解明 |
研究開始時の研究の概要 |
首下がり症は頚椎後弯(Chin on chest変形)に伴い前方注視障害や嚥下障害など、様々なADL障害をきたす。非常に稀な疾患のため、原因・病態は不明であり、治療方針も確立されていない。 本研究では、首下がり症患者の画像検査や電気生理学的検査に加え、手術症例における病理学的検査、遺伝子発現解析を行い、原因と病態の解明を行う。また、アンケートによる実態調査や身体テストを行い、評価法を確立するとともに、手術成績に基づいた治療戦略を確立したい。
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研究成果の概要 |
首下がり症候群の頚椎変性の特徴や経時的変化を調査することで首下がりが単に限局した筋炎のみでなく高度の変性に伴っていることが判明した。胸腰椎のアライメント異常が原因で発生する首下がりも存在し、胸腰椎の矯正のみで首下がりが改善することを見出した。胸腰椎の圧迫骨折がトリガーとなる症例も多く、全身の加齢に伴う変性の一部分として首下がりが発生していることが示唆された。手術合併症としてのP/DJKや嚥下障害に関しても検討し、予防には全脊柱アライメントや代償機能の評価、術前嚥下機能の評価が重要であることが判明した。病理学的検討では頚半棘筋や僧帽筋に関して精査行ったが、病態解明につながる結果は得られなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本は超高齢社会に突入しており、今後も首下がり患者は増加の一途をたどると考えられる。本研究結果より、首下がりは単なる頚椎の筋炎に由来する病態ではなく、全身の老化の一部として脊柱変性に伴い発生していることが示唆された。手術成績の検討においては頚椎のみではなく胸腰椎アライメントの評価が非常に重要である事が判明し、胸腰椎の矯正のみで首下がりが改善することも分かった。術前後の嚥下機能を十分に評価することで、術後嚥下障害を予見し重篤な合併症を減らし安全性の向上につながる。これらの結果は今後の手術戦略の確立に大きく寄与すると思われる。
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