研究課題/領域番号 |
21K09355
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
松本 和将 北里大学, 医学部, 准教授 (70306603)
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研究分担者 |
岩村 正嗣 北里大学, 医学部, 教授 (20176564)
佐藤 雄一 北里大学, 医療系研究科, 研究員 (30178793)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 膀胱癌 / 蛋白解析 / 腫瘍マーカー / 尿路上皮癌 / 抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、抽出した蛋白について、多数例の膀胱癌患者血清や尿を用いて、早期診断、予後予見因子としての有用性を検討する。また、膀胱癌における様々な蛋白・抗体の発現、化学療法の治療効果に関与する可能性のある蛋白質の動態と臨床病理学的所見・予後を比較検討し、独自の診断プローブを開発し臨床への応用を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究は、現在までに同定した蛋白について、多数例の膀胱癌患者血清を用いて、早期診断、予後予見因子としての有用性を検討する。また、膀胱癌における様々な蛋白・抗体の発現、化学療法の治療効果に関与する可能性のある蛋白質の検出やその動態、そして新規蛋白質の発現と臨床病理学的所見・予後を比較検討し、臨床への応用を検討する。本年度結果について記載する。 膀胱癌担癌症例の血清を用いた二次元電気泳動で検出したDJ-1について、血清発現および膀胱全摘除術標本を用いて検討した。血清では、尿路結石症例や健常者と比較し膀胱癌症例で有意に上昇を認めた。また、病理標本を用いた検討では、細胞質発現あり核発現なし群とその他の発現群(細胞質発現あり核発現あり、細胞質発現なし核発現あり、細胞質発現なし核発現なし)での2群を比較検討した。細胞質発現あり核発現なし群では、有意に無再発生存期間が短く、癌特異的死亡率、全死亡率も高かった。また、臨床病理学的因子を含んだ予後に関する多変量解析では、DJ-1の細胞質発現あり核発現なし群は、独立した予後因子であった。バイオマーカーの可能性について見出だした。 シスプラチン耐性膀胱癌細胞株を用いた二次元電気泳動で検出したPGK1について、臨床的にシスプラチン耐性となった症例について検討した。PGK1発現については、シスプラチンを含む一次化学療法で効果の無かった症例の病理標本を用いた。化学療法に効果を見出せなかった症例では、PGK1発現が有意に高く、細胞実験同様に、PGK1発現とシスプラチン耐性の相関関係を見出した。薬剤効果判定マーカーとして可能性が示唆された。 臨床的な検討も並行して行なった。ロボット支援膀胱全摘除術の周術期成績、体腔内尿路変向術、化学療法や維持療法の治療成績についても報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新規検出蛋白質について、膀胱癌組織、血液・尿検体を用いて反応性について解析を継続して行っている。本検討にて検出された数種類の蛋白質について、臨床病理学的所見と比較検討し、臨床的有用性を検討している。 昨年、膀胱癌検出に有用な腫瘍マーカーを見出し、特許申請を行った。企業との共同研究が始まり、国際特許も申請した。今後、本蛋白に関して機能解析およびキットを目指し検討を進めて行く。
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今後の研究の推進方策 |
昨年に引き続き、獲得済みの膀胱癌特異的抗体、自己抗体が認識する蛋白質に対して、収集済みの多数例膀胱癌患者血清・尿・腫瘍組織との反応性をスクリーニングし早期診断、予後予測マーカーの獲得を目指す。 また、化学療法の治療効果との相関性を検討するため、シスプラチン耐性膀胱癌細胞株より見出した蛋白質を用いて検討する。 さらに、非腫瘍性患者血清、健常人血清中の蛋白質との反応性から、有用な診断法(単独抗体または複数抗体を組み合わせた方法)をさらに検討する。獲得済みのプローブと多数例の患者血清・尿、臨床情報が揃っているので、研究期間終了時までにはさらに癌特異的マーカーを見出していく。
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