研究課題/領域番号 |
21K09401
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
蘆田 真吾 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (80380327)
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研究分担者 |
大畑 雅典 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 教授 (50263976)
坂本 修士 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 教授 (80397546)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 前立腺癌 / アクネ菌 / BRCA2 |
研究開始時の研究の概要 |
前立腺癌の原因は未だ不明だが、病原体感染がその原因の一つであると考えられている。申請者らは、これまでにRNA-seq解析を行い、アクネ菌を有力な病原体候補として同定した。さらに、前立腺正常上皮細胞にアクネ菌を感染させマイクロアレイ解析を行ったところ、癌化に重要なpathwayに含まれる2種類の遺伝子(遺伝子A、B)の発現が低下することを発見した。本研究は、アクネ菌によるこれらの遺伝子発現低下のメカニズムについて研究を進め、前立腺癌発生の病態を解明し、予防に応用することを目的とする。アクネ菌による前立腺癌発生メカニズムが解明されれば、除菌等により前立腺癌の予防に貢献できる可能性がある。
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研究成果の概要 |
前立腺上皮細胞にアクネ菌を感染させマイクロアレイを行ったところ、パスウェイ解析において相同組換え (HR)パスウェイが有意に変動していた。アクネ菌感染細胞を電子顕微鏡で観察したところ、アクネ菌は細胞内に侵入し核周囲明庭に存在することが分かった。一方、γH2AX foci解析およびHRアッセイを行ったところ、アクネ菌感染細胞において相同組換え修復欠損を認めた。そして、HRパスウェイに含まれるBRCA2遺伝子発現がアクネ菌感染によって有意に低下することを証明した。さらに、ルシフェラーゼアッセイを行ったところ、アクネ菌感染前立腺上皮細胞においてBRCA2遺伝子のプロモーター活性の低下を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これらの結果は、アクネ菌感染は相同組換え修復欠損を引き起こし、BRCAnessからゲノム不安定性、さらには前立腺癌発生のリスクを増加させることを示唆している。前立腺癌発生におけるアクネ菌の役割がさらに明らかになれば、前立腺癌の病態解明につながるだけでなく、除菌等により前立腺癌の予防に貢献できると考えられる。
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