研究課題/領域番号 |
21K09412
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 京都大学 (2023) 関西医科大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
齊藤 亮一 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30792270)
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研究分担者 |
吉田 崇 関西医科大学, 医学部, 助教 (00714966)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 膀胱癌 / MDSC / 腫瘍免疫 / 尿路上皮癌 / マウス / 免疫療法 / TCGA |
研究開始時の研究の概要 |
現在各種の進行がんに対して抗PD1/PDL1経路を阻害する免疫チェックポイント阻害剤が新規治療として用いられている。既存の化学療法や分子標的薬との併用で治療効果を高める工夫がなされているものの、十分な治療効果が得られるのは約30%程度である。そのため本研究では抗腫瘍免疫を減弱させるMDSCに着目し、MDSCの阻害がどのように抗PD1/PDL1治療に影響するかを動物モデルで検討し、実臨床において応用可能であるかどうかを検討する。
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研究成果の概要 |
マウス尿路上皮癌モデルでは、マウス黒色腫やマウス肺癌モデルと比較して、抗腫瘍免疫の潜在的な抑制因子であるG-MDSCが増加していた。G-MDSCはT細胞の活性化を抑制し、RNAレベルでArg1とNos2の高発現を示した。 抗Ly6G抗体と抗PD-L1抗体の併用により、単剤使用と比べて有意に腫瘍抑制効果を認めた。CD8+T細胞の枯渇は抗Ly6G抗体と抗PD-L1抗体の併用による腫瘍抑制効果を無効化し、抗Ly6G抗体によるMDSCの除去がT細胞疲弊を解除したものと考えられた。また、ヒトでもMDSCを抑制するとされているCXCR2阻害剤は抗PD-L1抗体と併用することで腫瘍抑制効果を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
転移性尿路上皮癌において、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の治療反応性に何らかの好中球が関連していることが知られていたが、我々は抗腫瘍免疫の潜在的な抑制因子であるG-MDSCが増加していることを見出し、G-MDSCはT細胞の活性化を抑制することを確認した。 また、抗Ly6G抗体やヒトでもMDSCを抑制するとされているCXCR2阻害剤を抗PD-L1抗体と併用することで、単剤使用と比較して有意に腫瘍抑制効果を認めた。 本研究結果はICI治療に適した患者群を特定したり、ICI治療と併用することで治療効果を増強させるような新規薬剤の開発につながる可能性があり、大きな学術的意義を有する。
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