研究課題/領域番号 |
21K09417
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
三井 貴彦 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (90421966)
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研究分担者 |
澤田 智史 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (70402055)
井原 達矢 山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (90622407)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 慢性虚血 / シトルリン / アルギニン / 一酸化窒素 / 膀胱機能 / 過活動膀胱 / 低活動膀胱 / 下部尿路症状 / 排尿筋低活動 / ミトコンドリア |
研究開始時の研究の概要 |
下部尿路症状(LUTS)の病態の一つである排尿筋低活動は、有効な治療法がないのが現状である。本研究では、LUTS患者のメタボロミクス解析で関与が示唆された一酸化窒素合成に関与しているシトルリン(Cit)、アルギニン(Arg)の投与によって、排尿筋低活動に与える影響とその機序について明らかにする。 研究方法として、排尿筋低活動モデルを作成し、Cit‐Arg経路の活性化によるNOを介した排尿筋低活動への予防および治療効果、その機序として膀胱平滑筋におけるミトコンドリア機能の影響、膀胱上皮における圧受容体への作用を明らかにする。本研究の結果はLUTSにおける新規治療薬の開発の端緒となると考えられる。
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研究実績の概要 |
過活動膀胱は病態が慢性的な虚血が進展すると低活動膀胱に移行するという病態が想定されている。(Nomiya M et al. J Urol 2014)虚血による傷害には一酸化窒素(NO)の低下が関与しているとされており、当科においてシトルリン・アルギニン(CitArg)によるNOを供与することでNOの抗炎症作用などの効果で低活動膀胱への進展の予防ができるのではないかと考え、研究をすすめていた。17週令のSprague-Dawley雄性ラットを用いて、5群(コントロール群、慢性虚血群、慢性虚血群+CitArg投与群、慢性虚血+L-NAME群、慢性虚血+L-NAME+CitArg投与群)にわけて排尿動態および、等尺性収縮実験、組織免疫染色実験を予定していた。 コントロール群、慢性虚血群の検討では、膀胱内圧測定における頻尿と膀胱平滑筋組織の実験での収縮力の低下が示された。この結果は、過活動膀胱を示すのと同時に排尿筋低活動を示していることになる。慢性虚血にCitArg投与した群では、膀胱内圧測定における頻尿の改善が示された。 一方、慢性虚血群にL-NAMEを投与して虚血によるダメージを増加させたモデル作成が遅れており、今後は同モデルの作成と、CitArg投与による結果、膀胱組織、病態モデルの総腸骨動脈の切片、eNOS, nNOS, iNOSの免疫染色およびPCR定量検査の結果をみて、低過活動膀胱の病態への新たな治療のアプローチを切り拓いていきたいと考えている。
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