研究課題/領域番号 |
21K09427
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
三浦 徳宣 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (80554427)
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研究分担者 |
雑賀 隆史 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (10314676)
東山 繁樹 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (60202272)
菊川 忠彦 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (70444734)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 前立腺癌 / PSMA / 血管内皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
前立腺特異的膜抗原 (prostate specific membrane antigen; PSMA)は前立腺癌マーカーとしては確立されているものの、その分子機能や前立腺癌組織形成における機能は殆ど不明である。本研究では、質量分析を基盤技術として、前立腺癌細胞由来microvesicle(MV)による正常血管内皮細胞でのPSMA発現誘導機構とPSMA陽性血管内皮細胞の質的変化を解明することで前立腺癌増殖の新しい知見を得る。
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研究実績の概要 |
前立腺癌関連血管内皮細胞でのPSMAの発現がどのように誘されるのか、またPSMA陽性血管内皮細胞が正常血管内皮細胞とどのような機能的差異を示すのかは殆ど不明である。しかし我々は既に、前立腺癌細胞株LNCaP cellsの培養上清中の10,000 g pellet画分を、正常血管内皮細胞であるヒト臍帯血静脈血管内皮細胞 HUVEC (human umbilical vein endothelial cells)の培地中に添加する事で、PSMAの転写が誘導される事を見出している。この結果は、前立腺癌細胞が細胞外に分泌する自身の細胞膜由来のmicrovesicle (MV)にPSMA発現誘導活性がある事を強く示す。本研究は、前立腺癌細胞LNCaP cells由来のMV中のPSMA発現誘導因子の分子実体を同定し、正常血管内皮細胞が前立腺癌関連血管内皮細胞へと質的に変化する分子機構の解明を目的としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
質量分析により、培養上清(CM) 1万g pellet成分には3種類のGrowth Factor(GDF15, HDF, MYDGF)が含まれることが分かった。1万g pelletには通常Growth factorは含まれないことから、MVに内包されていると考えられる。前にも質量分析を行っていたが、前回より多くのCM1万g pelletを解析することで、再現性が得られた。ウェスタンブロット法で1万g pellet中に上記GFが発現していることを確認した。さらに、LNCaP1万g pellet成分をかけたHUVECでは、血管新生亢進にかかわるシグナルパスウェイが亢進していることをRNA-seqで確認した。
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今後の研究の推進方策 |
これらのGrowth Factorが血管新生亢進に関与するかどうか確認していく。 他癌種(腎癌)の細胞株でも同様の現象を認めており、検証を進めていく。これらのGFがHUVECをPSMA陽性とし得るか確認していく。血管新生アッセイ(tube formation assay)やWB, PCRを繰り返し行うことで、再現性の確認、統計的有意性の確認を行っていく。得られた知見から、実臨床での前立腺癌腫瘍細胞での確認を行っていく。
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