研究課題/領域番号 |
21K09469
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐治 史惠 大阪大学, 医学部附属病院, 技術職員 (40600987)
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研究分担者 |
瀧内 剛 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授(常勤) (40733358)
松井 崇浩 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50747037)
木村 正 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90240845)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 微小残存病変 / 卵巣凍結 / 多光子励起イメージング技術 / 原始卵胞 / 原子卵胞 / 白血病細胞卵巣転移モデルマウス / 多光子励起イメージング / 卵巣内微小がん微小残存病変 |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣組織凍結は初経前の若年がん患者における唯一の妊孕性温存療法である。しかしながら凍結した卵巣内にがんの微小残存病変(MRD)が混入している可能性があり、凍結卵巣組織の融解移植によるがんの再発が危惧される。現在のMRD診断法は一部組織のみを検査しているため、実際の凍結組織片のMRD混入を完全には否定できない。 本研究は多光子励起イメージング技術により、非侵襲的に卵巣組織全体を観察することでMRDの混入がないと診断された組織片をその後の妊孕性温存治療に使用すること及びMRD混入の危険性低下と卵巣組織の移植後血流障害軽減を目的とした新規卵巣組織凍結保存法の構築を目的とするものである。
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研究成果の概要 |
本研究では多光子励起イメージング技術により、卵巣における原始卵胞などの各種卵胞と微小残存病変である卵巣内がん細胞を非侵襲的に区別化するための最適なイメージング条件の構築を目的とした。 マウス卵巣における原始卵胞、一次卵胞、二次卵胞および胞状卵胞等各発育段階の卵胞を区別化することに成功したが、目的としたヒト卵巣における原始卵胞の特定にはいたらなかった。一方、卵巣がんの卵巣において分解されたコラーゲン組織を検出することに成功し、正常卵巣と比較して有意な差が見られた。この結果は非侵襲的な卵巣がん診断への応用が期待できるものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗がん剤治療や放射線治療は生殖機能低下を引き起こす可能性があるため、がん患者における妊孕能(妊娠できる能力)の温存治療が近年、重要視されている。初経前や早急な原疾患の治療が必要な女性患者に対しては、卵巣凍結が唯一の治療方法となるが、凍結卵巣組織にがん細胞が混入していた場合、融解移植後にがんの再発が懸念される。本研究では卵巣がん卵巣においてコラーゲン組織の分解が見られ、正常卵巣と比較してコラーゲン組織観察所見に明らかな相違が見られ、間接所見ではあるが卵巣がん細胞を非特侵襲的に鑑別できる可能性が示唆された。この結果は非侵襲的な卵巣がん細胞の同定への応用が期待できるものである。
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