研究課題/領域番号 |
21K09474
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
宮腰 藍衣 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (40866513)
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研究分担者 |
上野 寛枝 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 研究員 (20425713)
葉山 智工 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 講師 (70819903)
村瀬 真理子 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (80315796)
浜之上 はるか 横浜市立大学, 附属病院, 講師 (90573759)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 染色体モザイク / 着床前診断 / ミトコンドリア / ミトコンドリアDNA / 着床後経過 / 染色体モザイク胚 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、余剰胚の複数か所を顕微操作で生検し染色体・ミトコンドリアDNAコピー数・ミトコンドリアDNA変異解析を行い比較することで、胚内部位による細胞増殖能の多様性を明らかにする。また、生検後胚を培養し生存した細胞の染色体・ミトコンドリアDNAコピー数・ミトコンドリアDNA変異を評価することで、染色体正常細胞と異常細胞がどのように変遷・淘汰されるかを明らかにする。このことは胚発生における染色体異常に対する恒常性のメカニズムを解明するとともに染色体モザイク胚による妊娠・生児獲得の機序と安全性を考えるうえで重要な情報となる。
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研究成果の概要 |
着床後胚における核型変化とミトコンドリア機能の影響の評価を目的とした。同意のもと研究へ提供された余剰胚を生検し、着床後発生モデルとして残存胚体外培養を行った。培養前後の検体に核型・mtDNA解析を行った。培養後、正常核型胚の割合が有意に増加し(p = 0.002)、モザイク胚の割合は有意に減少した(p = 0.005)。さらに、ミトコンドリアがヒト胚の核型の変化や培養性の関連を調べるために、mtDNAを評価した。正常核型もしくは培養が成功した胚はmtDNA変異が少なかった。以上からヒト胚でも核型変化が存在することが示唆され、mtDNA 変異が着床後発生に県警することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は、本研究においてヒト胚でも着床後の経過で核型に変化がありうることを確認した。また、mtDNA変異がヒト胚の着床後発生に核型・発生可能性の双方に影響を与える一つの要因となりうることが判明した。 これらを総合するとミトコンドリアの機能は、モザイク胚の発生過程における異常核型細胞の減少やヒト着床後胚の良好な発生において重要な因子の一つである可能性がある。本研究では体外培養を用いているなど複数の限界があるためさらなる研究が必要であるが、より詳細な理解を得ることができた暁には、より移植に適した胚を選択できるようになる可能性があり、臨床的妊娠率を高めることができるかもしれない。
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