研究課題
基盤研究(C)
進行・再発卵巣粘液性癌は化学療法抵抗性を示し、難治性癌である。病理組織診断の精度が低く、稀少性もありゲノム解析に基づく十分な抗腫瘍効果を示す治療法は確立していない。本研究では、粘液性癌、発生母地である境界悪性腫瘍や嚢胞性腺腫、鑑別診断で重要となる転移性粘液性癌、他臓器粘液性癌(胃癌、小腸癌、結腸癌、膵癌、子宮頸癌)の検体を用いたオミックス解析を行い、①原発性粘液性癌の病理診断精度向上に寄与するオミックス解析結果を検討し、②RNA解析による1細胞発現解析により難治性卵巣粘液性癌の治療抵抗性に関連する免疫微小環境における分子機構を解明し、難治性卵巣粘液性癌に対する新たな治療戦略を開発する。
難治性卵巣粘液性癌を含む婦人科がん患者の血漿メタボローム解析により、一般住民コホートに比して、血漿中のアミノ酸やリン脂質をはじめとする代謝物に有意な増加または低下が認められ、診断、予後および治療効果と関連する複数の代謝物が変動することが確認され、予測医療に有用なバイオマーカー探索の可能性が示された。血漿のプロテオーム解析を追加し、難治性婦人科がんの治療標的探索を目指す統合解析を進めている。
利便性の高い血液検体(血漿)を用いた絶対定量可能なメタボローム解析により、難治性希少癌を含む婦人科癌の早期診断、予後・治療効果予測を可能とする多層的オミックス解析の有用性を示した本研究成果により難治性婦人科癌に対する治療の精緻化が期待される。プロテオーム解析を含む多層的オミックス解析により抽出された標的に着眼したReverse translational researchにより卵巣粘液性癌をはじめとする難治性婦人科癌の治療開発が期待される。
すべて 2023 2021
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
JMA Journal
巻: 6 号: 4 ページ: 527-531
10.31662/jmaj.2023-0024
Cancer & Metabolism
巻: 11 号: 1
10.1186/s40170-023-00317-z
Journal of Obstetrics and Gynaecology Research
巻: 49 号: 8 ページ: 2109-2117
10.1111/jog.15709
JAMA Network Open
巻: 6 号: 6 ページ: 2318602-2318602
10.1001/jamanetworkopen.2023.18602
Toxins (Basel).
巻: 13 号: 7 ページ: 461-461
10.3390/toxins13070461