研究課題/領域番号 |
21K09491
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
山田 靖 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (60646652)
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研究分担者 |
塩沢 丹里 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (20235493)
竹内 穂高 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (30816351)
宮本 強 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (70418721)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 子宮体癌 / サイクリンA / 分子標的薬 |
研究開始時の研究の概要 |
近年我が国では子宮内膜癌が著増しており、新たな治療の開発が待たれている。申請者らは内膜癌の増殖機序を検討したところ、細胞周期進行を促進するサイクリンA2の過剰発現が予後不良因子であり、サイクリンA2が治療標的として好適であると考えた。サイクリンA2転写抑制能を有する化合物を探索する目的で、低分子化合物ライブラリーをスクリーニングしたところ、サイクリンA2の転写と細胞増殖を抑制する化合物Xを同定した。その改変化合物X1を合成したところ、X1はXの10倍の抗腫瘍作用を有することが判明した。 本研究では多種の細胞や系を用いて、X1の作用、特にその抗腫瘍作用の分子機序を解明し、臨床応用への途を開く。
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研究実績の概要 |
我々は子宮内膜癌においてサイクリンA2過剰発現が予後不良因子となるなど、悪性度と関連することを報告しており、サイクリンA2を標的とした治療を検討している。低分子化合物ライブラリーのスクリーニングにより得られたサイクリンA2の転写と細胞増殖を抑制する化合物Xを同定し、これをもとに構造の一部を改変した新規化合物X1を合成し、その抗腫瘍効果を検討している。これまでに子宮体癌細胞株に対する抗腫瘍効果を細胞株レベルと、マウス皮下への移植モデルにおいて確認している。さらなる生体内での抗腫瘍効果の検討のために、現在、子宮体癌発癌モデルマウスを使用した検討を繰り返し、再現性を確認する実験を行っている。我々は共同研究者より子宮内膜癌のモデルマウスであるARID1A、PTENのダブルノックアウトマウスの供与を受け、子宮内膜癌の発がんを確認した。我々は昨年までにドキシサイクリン投与によりARID1AとPTENをノックアウト誘導し、化合物X1を子宮内に投与する実験を行った。その結果コントロールのマウスに比べ、化合物X1を投与したマウスでは、子宮内膜癌の悪性度に変化がみられた。しかし、検討した個体数が少なかったため、薬剤の投与時期につき検討が必要と考え、①子宮内に1回投与し、その2週間後に子宮を摘出する群、②子宮内に2週間開けて2回投与し、その2週間後に子宮を摘出する群の2グループに分け、薬剤投与の最適化を図った。その結果②の群でより効果が高かったため。この方法で個体数を増やし、現在実験は進行中である。また、化合物X1がサイクリンA2の転写を抑制する作用機序につき、化合物X1と結合する物質の探索を引き続き行っているが、同定には至っていない。
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