研究課題/領域番号 |
21K09517
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
田村 博史 山口大学, 医学部, 特別医学研究員 (50379947)
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研究分担者 |
竹谷 俊明 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (70464328)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | メラトニン / 体外受精胚移植 / 卵子の質 / 顆粒膜細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
国内外の多くの施設で、不妊症患者に対する卵子の質の向上を目的とした メラトニン投与の臨床応用が行われ良好な成績が示されている。卵子の体外培養において、メラトニン添加により卵子の成熟および受精後の胚発育(胚盤胞)が促進されること、メラトニンの受容体(MT1, MT2)を介する作用やDNAメチル化やヒストンのアセチル化といったエピジェネティックな作用も報告されている。したがって、メラトニンが卵子や顆粒膜細胞に対して、抗酸化作用に加えて、細胞内でどのようなメカニズムを介して、卵子の質を向上させるのかを網羅的・包括的に解明する意義は大きい。
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研究成果の概要 |
生殖補助医療技術の進歩にもかかわらず、卵子の質を向上させる有効な方法は確立していない。松果体ホルモンであるメラトニンは卵子の質の向上を目的として不妊症患者に臨床応用も行われているが、そのメカニズムは明らかではない。卵子の質の不良な症例にメラトニン錠3mg/日を併用して体外受精胚移植を施行し、採卵時に採取した顆粒膜細胞の遺伝子変化をRNAシークエンスで行った。Gene ontology解析では、細胞死、T細胞活性に関する遺伝子群の発現が抑制されており、ステロイド産生、血管新生に関する遺伝子群の発現が増強されていた。これらの遺伝子群を制御することでメラトニンは卵子の質の向上に関与していると考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生殖補助医療において、卵子の質を向上させる有効な治療法が確立していない現状において、メラトニンを併用した体外受精胚移植は卵子の質を向上させる新たな治療法として注目される。本研究において抗酸化作用のみならず、受容体を介した内分泌作用によって生殖に関連した関連遺伝子群の発現を制御することによっても卵子の質の向上に関与することが網羅的、包括的に明らかとなった。これは生殖医療の進歩に大きく貢献するものである。
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