研究課題/領域番号 |
21K09583
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤村 晶子 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (60892718)
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研究分担者 |
大西 秀哉 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30553276)
中村 勝也 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (60585743)
中川 尚志 九州大学, 医学研究院, 教授 (70274470)
小宗 徳孝 九州大学, 大学病院, 講師 (80529884)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | PTPN3 / 頭頚部癌 / 増殖 / 遊走 / 浸潤 / 癌悪性形質誘導 / 新規治療法開発 / 扁平上皮癌 / 頭頚部扁平上皮癌 / 増殖能 / 遊走能 / 浸潤能 / 抗癌剤感受性 / 癌組織浸潤リンパ球 / 予後因子 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、活性化リンパ球において発現が亢進するチロシン脱リン酸化酵素:protein tyrosine phosphatase non-receptor type3 (PTPN3)の抑制により、活性化リンパ球の増殖能、運動能、細胞傷害活性が亢進することを新たに見出した。一方、PTPN3分子は頭頚部扁平上皮癌においても発現しており、頭頚部扁平上皮癌におけるPTPN3の生物学的意義は未だ不明である。本研究の目的は頭頚部扁平上皮癌の新規治療法開発のために、「PTPN3分子が頭頚部扁平上皮癌に対する1) 診断補助因子、2) 予後予測因子、および3) 治療標的分子となり得るかを検証する」ことである。
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研究実績の概要 |
本研究の主目的は、頭頚部扁平上皮癌におけるprotein tyrosine phosphatase non-receptor type 3 (PTPN3)分子の生物学的意義を解析し、PTPN3分子が頭頚部扁平上皮癌に対する1) 診断補助因子、2) 予後予測因子、および3) 治療標的分子となり得るかを検証することである。昨年度、In vitroの実験で、PTPN3が頭頚部扁平上皮癌の増殖、遊走、浸潤に関与する可能性が分かったため、本年度はマウスや異なる解析法でその結果を検証した。まず、増殖、遊走、浸潤能を一括で評価するために、タイムラプス撮影法による解析を行った。FaDu細胞株、SCC-9細胞株をplateにまき、コンフルエンス状態にした後、針でスクラッチして、同部の細胞増殖、遊走・浸潤による回復の状況を解析した。その結果、PTPN3を抑制した細胞で、回復状況が有意に低下することが再現性をもって分かった。この結果は、昨年度のIn vitroの実験結果を支持する結果であった。また、FaDu細胞を免疫不全マウスの皮下に移植する実験では、PTPN3を抑制したFaDu細胞を使用した群が、抑制していないFaDu細胞を使用した群より、有意に形成された腫瘍体積が低下していた。また形成された腫瘍の免疫染色でKi67発現が高い結果であった。この結果も、PTPN3抑制により増殖能が低下するというIn vitroでの実験結果を支持するものであった。これらの実験結果より、PTPN3が頭頚部扁平上皮癌の治療標的分子となる可能性がでてきた。本年度は、PTPN3が頭頚部扁平上皮癌において増殖、遊走、浸潤に及ぼしている影響のメカニズム解析をメインとして検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PTPN3が頭頚部扁平上皮癌における増殖、遊走、浸潤を抑制しているという実験結果が再現性をもって得られている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、PTPN3の頭頚部扁平上皮癌に対する増殖、遊走、浸潤に及ぼしている影響のメカニズム解析を主として検討する予定である。
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