研究課題/領域番号 |
21K09626
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 (2022) 新潟大学 (2021) |
研究代表者 |
齋藤 憲 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (70426584)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 水酸化酵素 / インテグリン / ペプチド / 口腔癌 / 癌浸潤転移 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでの研究成果で、水酸化酵素の1つであるPLOD2の活性化が、Integrin beta-1の安定性と細胞膜局在移行を促進させるためのIntegrin beta-1の機能制御分子であることを見出している。この機序に基づくPLOD2の活性阻害戦略は、細胞膜発現後のIntegrin alpha/betaの阻害を目的とする従来法と異なり、本提案のペプチドをシーズるPLOD2阻害薬の開発の試みは、『がん転移に必須とされる水酸化Integrin beta-1自身を細胞内で消去する』点で新しいがん転移征圧医療開発へのチャレンジとなる。
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研究実績の概要 |
令和4年度の研究として、私たちは、PLOD2水酸化酵素を阻害するbeat-1ペプチドを口腔・頭頸部癌細胞へデリバリーするため、mRNA-Display技術より口腔癌細胞特異的透過ペプチド(CPP)の単離を実施した。 現在までに、単離されたCPPは、口腔癌細のみならず他の細胞への吸収も認めることから、口腔癌細胞特異的に侵入するCPPの取得には至っていない。一方で、PLOD2発現は、口腔癌細胞株と比較して、骨肉腫細胞株で10以上の高発現を認め、また、beat-1ペプチドの作用が、口腔癌細胞株と同様に骨肉腫細胞株でも認めた。このことから、同時に骨肉腫細胞株へ特異的に侵入するCPPの単離を実施し、正常細胞株や他のがん細胞株へ侵入しない骨肉腫細胞株特異的CPPの単離に成功している。 現在、この骨肉腫細胞株特異的CPPとbeta-1ペプチドを融合したCPP-beta-1デコイペプチドを用いて、骨肉腫細胞のPLOD2を標的とした浸潤・転移阻害、抗腫瘍効果を詳細に評価している。このCPPは軟骨肉腫にも侵入することから、喉頭軟骨肉腫などに対する併用治療にも応用できると考えられる。さらに、CPPの細胞特異的透過性のメカニズムについても現在、検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
口腔癌細胞特異的CPPの単離は遅れているものの、骨肉腫特異的CPPとbeta-1ペプチドによる研究から、骨肉腫治療へ応用できる可能性が判明した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、口腔癌細胞特異的CPPの単離が難しいと考えられるため、骨肉腫にフォーカスしたペプチドの応用を展開する。 計画として、骨肉腫特異的CPPとbeta-1ペプチドを融合したペプチドを用いた浸潤・転移阻害、抗腫瘍効果の検討と治療薬との併用効果の確認、骨肉腫特異的CPPの透過メカニズムの解析などを細胞株およびモデルマウスを用いて実施する。
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