研究課題/領域番号 |
21K09698
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
楠原 仙太郎 神戸大学, 医学研究科, 講師 (40437463)
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研究分担者 |
淺原 俊一郎 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (00570342)
橘 吉寿 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (50373197)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 糖尿病網膜症 / アクアポリン9 / マウス / in vivoイメージング / 糖尿病 / 神経変性 |
研究開始時の研究の概要 |
網膜血管内皮細胞からの周皮細胞脱落は糖尿病網膜症における重要な細胞イベントであるが、周皮細胞脱落以前から生じている糖尿病網膜神経変性ついてはその詳細なメカニズムは不明である。本研究では、持続高血糖と周皮細胞脱落という2種類の環境下における、神経節細胞、グリア細胞、細胞外マトリックスの変化をアクアポリン9の神経保護作用を軸に評価する。アクアポリンの発現と活性を調節する薬剤は多く存在することから、本研究によって糖尿病発症早期から生じる網膜神経変性におけるアクアポリン9の役割が解明されれば、糖尿病患者の網膜神経保護治療への応用が大いに期待される。
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研究成果の概要 |
Cx3cr1-GFPマウスおよびアデノ随伴ウイルスによる標識を適宜利用し、糖尿病マウス網膜についての免疫染色および2光子顕微鏡による生体イメージングを行った。糖尿病マウス網膜では網膜中間層におけるミクログリアの密度が増加している傾向にあった。2光子顕微鏡を用いたミクログリアの動的評価では、ミクログリアの細胞体面積と突起面積の変化は2群間で有意な差を示さなかったが、突起長の変化は糖尿病マウスで有意に大きい結果であった(P<0.01)。 糖尿病Aqp9ノックアウトマウスについて同様の解析を行ったところ、Aqp9ノックアウトマウス網膜においてミクログリア数の増加および活発な突起変化が確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において慢性炎症の際に早期から異常が認められるミクログリアの変化が2光子顕微鏡による生体イメージングで解析され糖尿病Aqp9ノックアウトマウスでその動きに変化が認められたことから、多面的な神経保護作用を有する乳酸のトランスポーターであるAQP9が糖尿病早期における糖尿病網膜神経変性に関与している可能性が高いと思われる。このことAQP9の基質である乳酸をターゲットにした糖尿病網膜症への早期介入への道筋を示唆しており、将来の失明予防に大いに貢献できると考える。
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