研究課題
基盤研究(C)
緑内障は多因子性の疾患であり、数多くの因子がその発症あるいは視神経障害悪化の危険因子として挙げられている。眼圧が緑内障発症、進行の最大の危険因子であることは論を俟たない。しかし、眼圧を十分と思われるレベルまでコントロールしても視野障害が進行する症例を経験する。多くの研究から緑内障の発症や視神経障害進行にかかわる非眼圧性の危険因子の存在が推測されている。眼圧の次にどの非眼圧依存性の危険因子が緑内障の発症や進行に重要なのか明らかにする。
病型による眼球剛性の違い;開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障の差を比較した。角膜の生体力学的特性はPOAGとPACGで異なっていた。POAG群とPACG群の眼軸長差がCSTパラメータの変動に寄与していることがわかった。 眼球剛性と眼血流の関係に関する研究;変形しにくい角膜剛性を持つ眼は視神経乳頭部、黄斑部の血流が遅くなる。逆に眼血流が良くなれば眼球剛性にも変化が現れるというデータが得られた。 低侵襲緑内障手術が眼球剛性に及ぼす影響;μLOT群では術後に角膜が変形しやすくなったことを示していた。一方、iStent群ではこれらのパラメータに変化はなかった。
緑内障は多因子性の疾患であり、眼圧の他に数多くの眼圧非依存性の因子がその発症あるいは視神経障害悪化にかかわる。眼圧を十分と思われるレベルまでコントロールしても視野障害が進行する症例を経験する。眼圧非依存性の因子は多く報告されているが、循環因子と眼球剛性因子に集約される。治療によって眼圧を十分下げた状態では眼圧よりも眼圧非依存性の因子の方が緑内障の進行に関与することが判明している。日本には眼圧が低い正常眼圧緑内障が多い。循環因子と眼球剛性因子のかかわりを知ることは眼圧非依存性の因子を改善する治療法の開発につながる。ひいては緑内障による失明を防ぐことにつながる。
すべて 2024 2023 2022 2021
すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 4件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 8件、 招待講演 2件) 図書 (5件)
Sci Rep
巻: 13 号: 1 ページ: 19148-19148
10.1038/s41598-023-46709-5
Cureus
巻: 15
10.7759/cureus.46500
J Clin Med. 2023 Aug 3
巻: 12 (15) 号: 15 ページ: 5108-5108
10.3390/jcm12155108
.Optom Vis Sci.
巻: on line journal 号: 5 ページ: 334-338
10.1097/opx.0000000000002018
Exp Eye Res.
巻: on line journal ページ: 109419-109419
10.1016/j.exer.2023.109419
.Int Ophthalmol.
巻: on line journal 号: 1
10.1186/s40780-023-00276-z
Jpn J Ophthalmol.
巻: 67 号: 2 ページ: 189-254
10.1007/s10384-022-00970-9
J Clin Med .
巻: 10 号: 2 ページ: 558-558
10.3390/jcm12020558
Antioxidants (Basel)
巻: 22 号: 4 ページ: 610-610
10.3390/antiox11040610
Front Med (Lausanne)
巻: 9
10.3389/fmed.2022.818139
Ophthalmology
巻: 129 号: 4 ページ: 406-413
10.1016/j.ophtha.2021.11.001
Transl Vis Sci Technol
巻: 10 号: 12 ページ: 23-23
10.1167/tvst.10.12.23