研究課題/領域番号 |
21K09704
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
山下 高明 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (70404514)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 眼底写真 / 年齢推定 / 性別推定 / 加齢変化 / 性差 / 測定自動化 / 眼球形状 / 近視 / 全身因子推定 / 眼球因子推定 / 性別判定 / 人工知能 / 診断 / 進行予測 |
研究開始時の研究の概要 |
Googleの研究で人工知能(AI)は眼底写真から性別を97%の確率で判別できたが、将棋のAIと一緒でなぜ判別できたかは分からなかった。我々は眼底写真の血管湾曲度、視神経乳頭形状および相対位置、眼底色調などを数値化することで、77.9%で男女を判別でき、男性よりも女性は視神経乳頭が卵型で、上耳側動脈が黄斑に近く、眼底色調が青緑っぽいことを報告した。この手法を自動化して発展させることで、性別判定率の向上だけでなく、眼底写真だけから身長、近視などを推察する方法を確立することを目的とする。眼底写真には血管、神経、眼球形状の情報が含まれており、将来的には眼科以外の疾患も判別することも目標としている。
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研究実績の概要 |
眼底写真パラメータから性別だけなく、血圧・内科疾患(高血圧・糖尿病・高脂血症の有無)・眼圧・眼軸長・屈折・身長・体重などを重回帰分析で推定し、それぞれの項目における眼底写真パラメータの特徴を抽出することを目的としている。しかし、疫学調査で得られた約3000眼の眼底写真があるが、人の手でパラメータを測定するには時間がかかりすぎるために自動で眼底写真パラメータを測定できるプログラムの開発と改善を目標とした。また自動測定プログラムを用いれば、人の手で測定する場合に生じる測定ごとの差がなくなり、客観的に再現性の高い測定数値を得ることができる。眼底写真パラメータの自動解析ソフトは、中心窩と視神経乳頭辺縁を自動検出できるようになり、中心窩と視神経乳頭縁の自動検出の精度が75%から90%以上に向上させることができた。中心窩と視神経乳頭縁の自動検出が成功した眼底写真では視神経乳頭形状と面積・視神経乳頭周囲の耳側、上耳側、上方、上鼻側、鼻側、下鼻側、下方、下耳側と中心窩の赤・緑・青の明度の平均とこれらの値から計算される紋理程度を数値化して、エクセルに自動で書き出すことができた。人の手で行った数値化と比較して、相関係数は0.9以上と高く、眼底写真パラメータの約半分の項目を自動で正確に数値化できることが証明された。これらの眼底写真パラメータを疫学調査で得られた3000眼で測定して解析したところ、眼底写真だけから性別を80.4%の精度で推測でき、具体的な性差として男性と比較して女性の方が視神経乳頭が卵型で網膜血管が黄斑に近く、緑色調であることが判明した。また年齢は誤差3.64歳で推定でき、実測値と予測値の相関係数は0.88で、具体的な眼底の加齢変化は色調の変化であることが示された。
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