研究課題/領域番号 |
21K09719
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
今井 尚徳 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (90569211)
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研究分担者 |
三木 明子 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10726988)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | フィブリノーゲン / ICAM-1 / 糖尿病黄斑浮腫 / 糖尿病網膜症 / 網膜血管内皮細胞 / Müller細胞 / 細胞間接着分子1 / 網膜神経節細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの糖尿病黄斑浮腫(DME)は、既知の病態に対する集学的治療にて治療可能となった。しかし、いずれにも抵抗する難治DMEは存在する。本研究では、難治DMEをターゲットに、DME内に滲出する血漿成分の病態への関与について検討し、これまで未知であったDMEの病態を解明する。特にDME内に析出するフィブリノーゲンが神経、血管、そしてグリアといった各網膜細胞に及ぼす影響を中心課題として検討する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、糖尿病黄斑浮腫の病態におけるフィブリノーゲン(Fb)の関与を検討することであった。我々は正常マウスの硝子体腔に高濃度Fbを投与し、網膜機能に与える影響を評価した。Western blotおよび免疫染色の結果、グリア細胞マーカー(GFAP)の発現は有意に亢進し、神経節細胞マーカー(TUBB3)の発現は有意に低下した。さらに網膜電図では各波形の振幅が低下し、網膜機能の低下が示唆された。これらの変化は抗ICAM-1抗体の投与で中和された。これらの結果から、高濃度Fbは網膜に傷害性を持ち、その作用はFb/ICAM-1細胞内シグナル伝達によって調整される可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、糖尿病黄斑浮腫(DME)は既知の病態に対する各種治療を駆使した集学的治療によってある程度治療できるようになった。しかし、一定の割合で難治例が存在する。この結果は、未知の病態の存在を示唆する。本研究の目的は、浮腫内に滲出するフィブリノーゲン(Fb)と未知の病態との関連を解明することであった。これまで眼内Fb濃度に着目して病態解明を進める研究は国内外を通じて未だなく、独自性が高い。本研究結果は、DMEの発症・進展機序に新たな知見を与え、創薬の観点からも、学術的・臨床的に意義が大きい。
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