研究課題/領域番号 |
21K09733
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
藤原 篤之 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (20881618)
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研究分担者 |
三木 淳司 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90447607)
米田 剛 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (80389014)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 視野 / 視線 / 視線視野 / 視野計 / 自覚的応答 / 乳幼児 / アクティブ視野 / 発達 |
研究開始時の研究の概要 |
代表的な視機能検査法である視力検査では、自覚的な応答を必要としない他覚的評価法がいくつか考案され、小児患者や非器質性視覚障害の診断に用いられている。その一方で、他覚的視野検査法は現在までに確立されていない。乳幼児では検査の理解や自覚的な応答が成人よりも乏しく、量的視野検査は困難であるため、乳幼児の視野が定量化できるようになれば、眼科臨床への影響は大きい。本研究で取り組む視線計測に基づく視野解析システムの構築は、従来困難とされてきた乳幼児の他覚的視野計測を可能にし、視野欠損を伴う小児眼科疾患の適切な管理に貢献することが期待される。また、このシステムは視野の小児期の正常発達の解明にも貢献する。
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研究実績の概要 |
視線視野計測法は,視標刺激に対する反射性のactiveな視線移動の観測に基づき行うため,自覚的応答を必要としない。今回,視線視野計測のスクリーニング評価を目的とした計測システムを考案し,その精度を検証するために,健常人を対象に計測値の信頼性を検討した。信頼性検討のため,対象は応答の精度を考慮し,矯正視力1.0以上を有する健常人30名30眼 (22.7±5.2歳)とした。視線移動の計測には視線計測装置Gazefinderを使用した。被検者には屈折矯正下でモニターに呈示される白点視標を追従させ,視線移動を計測した。白点視標の呈示プログラムは,今回独自にプログラミングを行った。追従が正確にできた場合,水平垂直15.3°,斜め21.5°(理論値)の8方向の広がりを計測することが可能である。3回の計測を行い,速やかな解析,グラフ化を目的に独自に開発をした解析ソフト (CreateChart)を用いて定量化 (実測値)を実施し,級内相関係数を求めた。視線到達の精度を示す理論値と実測値の差分は,上方-0.1±0.9°,右上方-0.6±1.0°,右方-0.2±1.0°,右下方-0.8±0.9°,下方-0.5±0.7°,左下方-0.5±0.9°,左方-0.6±0.5°,左上方-0.4±0.7°であった。各方向の差分に有意差はなく(P=0.314),誤差は約1 °前後と高い精度であった。また,3回の計測値の級内相関係数は全方向において0.6以上の信頼性係数を示し (P<0.01),再現性が得られた。そして,信頼性の高い視線視野計測システムを構築することができた。本研究の成果は,第76回 日本臨床眼科学会 学術展示優秀賞 を受賞した。そして, Kawasaki Medical Journal 48: 191-199, 2022. に受理・掲載をされた。
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