研究課題
基盤研究(C)
加齢黄斑変性は本邦の社会的失明の主原因であり、その詳細な病態メカニズムの解明は急務である。沖縄県民は本土とは異なる眼球解剖学的因子、環境因子、遺伝学的背景を有しており、その結果として加齢黄斑変性においても独自の臨床的特徴を有している可能性がある。本研究で沖縄での加齢黄斑変性の臨床的特徴と、それに関連する眼球解剖学的因子、環境因子、遺伝子多型との関係を明らかにし、さらに日本本土および世界諸地域の臨床データとの比較を行うことで、よりジェネラルな観点からの加齢黄斑変性の病態メカニズムの解明、そして今後の個別化治療や予防戦略構築を目指すことを目的とする。
沖縄県にルーツを持つ滲出型加齢黄斑変性(AMD)の背景因子、眼科的検査データの網羅的収集を行った。同時に血液サンプルからAMD関連遺伝子多型を解析した。結果、黄斑部新生血管のサブタイプごとの頻度、男女比、両眼発症の頻度、僚眼のドルーゼンの頻度は本邦既報と同等であった。AMD関連遺伝子であるCFHとARMS2のリスクアレル頻度も、本邦既報と同様であった。結論として、沖縄県における滲出型AMDの特徴は日本本土と同様であり、疫学研究において日本本土のコホートに離島である沖縄県民を含めることは結果に大きな影響を与えないと考えられた。
沖縄県民は日本本土と遺伝学的背景が異なり、加えて眼球解剖学的にも短眼軸眼・遠視眼が多いことが知られている。また、加齢黄斑変性(AMD)発症危険因子である喫煙率が高く、飲酒量も多く、近年は食生活の欧米化も顕著である。加えて紫外線曝露量も高いと考えられ、日本本土とは異なるAMDの病態メカニズム、臨床的特徴を有するとの仮説を立て、網羅的な解析を行った。結果、沖縄県のAMDは臨床的にもゲノム学的にも日本本土と同様であることが明らかとなった。従って、AMD疫学研究において、日本本土のコホートに沖縄県民を含めることは結果にバイアスを与えないと考えられる。
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