研究課題/領域番号 |
21K09761
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
杠 俊介 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (10270969)
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研究分担者 |
高清水 一慶 信州大学, 医学部, 助教(特定雇用) (00793019)
永井 史緒 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (10794620)
常川 主裕 信州大学, 学術研究院医学系, 講師 (30625778)
細見 謙登 信州大学, 医学部附属病院, 助教(特定雇用) (90793787)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 赤唇 / 角化 / 皮膚付属器 / 動物実験 / 組織学 / 口唇裂 / 無毛様皮膚 / 皮膚移植 / 動物 / 再生 / 無毛皮膚 / 再建 / 皮膚 |
研究開始時の研究の概要 |
赤唇は組織学的には白唇に近い角化を伴った無毛の表皮下に薄い真皮を有していて口輪筋表層までの距離が短いために、筋の色が透けて見えるために赤く、メラニン色素が多いために口唇粘膜より赤さがくすんで見えることが判明している。現在、完全な赤唇を再建できる方法やその代用となる再建組織は身体の他の部位には存在しない。正角化、付属器の欠如、薄い真皮、多めのメラニン色素を有した赤唇をいかにして再生して、再建された赤唇領域を維持できるようにするかが治療への導入に重要点となる。将来、赤い皮膚を再生し再建するための手立てを解明する目的で実験動物による本研究を行う
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研究成果の概要 |
角化した薄い無毛皮膚を動物実験で作成するため、薄い皮膚としてマウスの耳の皮膚を筋上へ移植した。生着皮膚はわずかに赤みを呈したが、残存する皮膚付属器や色素細胞により赤唇とは類似しなかった。無毛皮膚移植として、ヌードマウスやヘアレスマウスの皮膚で同様の実験を行ったが、いずれも白みを呈した。残存する未熟な毛包や脂腺が影響していると推測された。移植の前後で角化細胞の分化マーカーやサイトケラチンの発現に違いは認めなかった。ヒトの赤唇に類似した部位をもつニホンザルの口唇皮膚を用いて移植実験を行った。白唇皮膚よりも赤唇皮膚の方が赤味を呈しており、赤唇再建には皮膚付属器のない角化した薄い皮膚が重要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱傷を含む外傷や手術による切除および口唇裂などの口唇を含む先天異常の手術の際に、赤唇組織を完全に再建・再生するすべは未だない。これまでの研究により、下層の筋肉の赤色を透見させる皮膚付属器の無い複合上皮が赤唇再建および再生の鍵であると判明した。今回、動物実験で検証を試みたが、赤唇組織に置き換えられる皮膚組織は本研究では見出すことは出来なかった。しかし赤唇の赤色に筋肉の色調も関与していることが示唆されたことは今後の赤唇再建時に有用な知見となり得るとともに、再生への足上がりとなるであろう。
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