研究課題/領域番号 |
21K09821
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
森田 貴雄 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (20326549)
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研究分担者 |
根津 顕弘 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (00305913)
竹澤 晴香 (山口晴香) 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (00756942)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ピロカルピン / 唾液分泌 / βアレスチン / MAPキナーゼ / 遺伝子発現 / ムスカリン受容体 / 唾液腺由来培養細胞 / 唾液腺培養細胞 / シェーグレン症候群モデルマウス / ムスカリン / in vivoイメージング / バイアスアゴニスト |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ピロカルピンの長期投与によって唾液分泌の感受性が亢進する分子メカニズムを明らかにし、「唾液が出やすい唾液腺」へ誘導させる新しい口腔乾燥症治療法の分子基盤を構築することを目的とする。本目的を達成するため、①遺伝子の過剰発現や遺伝子ノックダウン法によるCa2+シグナルと分子動態の変化を、培養細胞とin vivoの唾液腺における生体イメージング法を用いた機能解析により明らかにする。②加えて唾液分泌を促す新たな薬物の候補を探索する。
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研究成果の概要 |
本研究は、ピロカルピンの連続投与による唾液分泌量増加の分子メカニズムを明らかにすることを目的とする。ラットあるいは唾液腺由来培養細胞のHSY細胞において、ピロカルピン刺激により、MAPキナーゼ(ERK)のリン酸化およびCtgf遺伝子発現の亢進が観察された。これらの亢進作用は、ムスカリン受容体アンタゴニスト、Srcキナーゼ阻害剤、βアレスチン阻害剤により抑制された。これらのことから、ピロカルピン刺激によるCtgf遺伝子の発現誘導は、ムスカリン受容体の活性化に続くβアレスチン経路、SrcおよびMAPキナーゼシグナル経路を介していると示唆され、この経路が唾液分泌増加に関与する可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果から、ピロカルピンが、従来考えられてきたCa2+シグナルを介した唾液分泌に加え、受容体刺激を介したβアレスチン経路に続く遺伝子発現調節により、分泌機能を亢進させる可能性が考えられた。他のGPCRの研究ではβアレスチン経路と薬物の副作用との関係が知られており、より副作用の少ない薬物の開発に結びつくと期待される。また、遺伝子発現調節を介した唾液腺の機能的変化、すなわち「唾液の出やすい唾液腺」への誘導作用を持つ可能性が示された。 さらに、ムスカリン受容体活性化を介した細胞内シグナルメカニズムの一端が明らかになったことから、唾液腺以外の様々な分野の研究に応用されると期待される。
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