研究課題/領域番号 |
21K09841
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
阿部 達也 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70634856)
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研究分担者 |
山崎 学 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10547516)
田沼 順一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20305139)
丸山 智 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30397161)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 口腔扁平上皮癌 / LAD1 / ladinin-1 / RNA-seq / 分化 / 遊走 / transcriptome 解析 / WNT / EMT / 平面細胞極性 / 間質浸潤 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔扁平上皮癌は代表的な口腔悪性腫瘍の一つであり、口腔粘膜組織内を側方上皮内進展するとともに間質浸潤することにより、その大きさ・範囲を拡大させていく。これまでに、癌の側方上皮内進展と間質浸潤の両現象が、ladinin-1 (LAD1) と呼ばれる分子に相反的に制御されている可能性が見出され、さらに non-canonical WNT pathway を介したアクチン分子動態や中間径フィラメントの調整がその制御に重要な役割を担っている可能性が示唆された。そこで、LAD1 を基軸として扁平上皮癌細胞の側方上皮内進展・間質浸潤のメカニズムを解明することを本研究の主題とした。
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研究成果の概要 |
口腔扁平上皮癌(OSCC)の上皮内進展先進部で高発現を認めたladinin-1(LAD1)の上皮内進展と間質浸潤の相互制御可能性について詳細な検討を行うこととした。LAD1 発現抑制を行ったOSCC培養細胞株を材料に、RNA-seqによる網羅的遺伝子発現検討、コラーゲンゲル上培養における浸潤度と分子発現検討、LAD1発現抑制下での定量的細胞形態評価、公開データベースの検討から、LAD1がOSCC細胞の上皮性格の維持に関与し、発現が減弱することで間質浸潤能が増加する可能性が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔扁平上皮癌は粘膜上皮内に発生し、上皮内を進展する段階を経て、間質浸潤をきたすことで、悪性腫瘍としての性質を獲得する。上皮内進展と間質浸潤はそれぞれ患者予後の観点からは決定的に異なる現象であり、それらを相反的に制御する分子が存在している可能性が見出されたことは、今後の制癌的治療戦略や予防的アプローチに寄与する可能性のある結果といえる。
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