研究課題
基盤研究(C)
本研究では、GERDと酸蝕症との重症度や多様性に応じた関連性の解明と、同領域における医科歯科連携の構築を目指し同一被験者を対象として、医科による内視鏡検査、歯科による口腔内評価を実施する。また両疾患ともに、生活習慣・唾液保護作用が重要であることから、医科・歯科共同の生活習慣調査・唾液検査を行う。本研究により、同一被験者における重症度・多様性を考慮したGERDと酸蝕症との関連性を明らかにし、口腔・胃食道領域における医科歯科連携を構築する。また、両疾患リスクや重症度を診断する上で重要なリスク因子や唾液マーカーを同定し医療者は勿論、医科患者だけでなく、歯科患者にも有益な疾患予防情報を提供する。
近年、逆流性食道炎(RE)に伴う酸蝕症(DE)の有病率は報告されている。しかし、両疾患の重症度やDEと非びらん性逆流性食道炎(NERD)との関係は不明である。そこで本研究では、胃食道逆流症疾患(REおよびNERD)とDEとの関連性の解明と、同領域における医科歯科連携の構築を目指し、同一被験者を対象として、医科による内視鏡検査、歯科による口腔内評価を実施し、RE、NERDおよび健常対照者におけるDEの有病率と重症度を調査した。本症例対照研究には、RE患者135名、NERD患者65名、健常対照者40名が参加した。DEの有病率と重症度を評価するためにmodified tooth wear indexを用いた。唾液分泌と唾液緩衝能は内視鏡検査前に評価した。各群におけるDEの有病率と重症度、唾液の性状をピアソンのカイ二乗検定を用いて分析した。その結果、135例(56.3%)がDE患者に分類された(軽症RE55例、重症RE49例、NERD31例)。RE有病率とDE有病率との間には有意な相関がみられたが、NERD有病率とDE有病率との間には有意な相関はみられなかった。REとDEの間には重症度による有意差がみられた。唾液分泌については、軽症RE、重症RE、NERDにおいて、DEの有無に有意差がみられた。唾液緩衝能については、軽症RE、重症RE、NERDにおいて、DEの有無による有意差が認められた。REとDEの有病率および重症度には有意な関連がみられた。ETWや唾液緩衝能などの臨床症状は、REの重症度に依存していた。また、RE患者におけるDEの有病率に関連する因子ならびにDE重症度に関連する因子を評価した結果、唾液分泌量、RE重症度、PPI抵抗性はDE有病率と関連し、年齢、BMI、RE重症度はDE重症度と関連した。唾液分泌量の低下とBMIはDEの有意な関連因子であった。
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