研究課題
基盤研究(C)
本研究では、GERDと酸蝕症との重症度や多様性に応じた関連性の解明と、同領域における医科歯科連携の構築を目指し同一被験者を対象として、医科による内視鏡検査、歯科による口腔内評価を実施する。また両疾患ともに、生活習慣・唾液保護作用が重要であることから、医科・歯科共同の生活習慣調査・唾液検査を行う。本研究により、同一被験者における重症度・多様性を考慮したGERDと酸蝕症との関連性を明らかにし、口腔・胃食道領域における医科歯科連携を構築する。また、両疾患リスクや重症度を診断する上で重要なリスク因子や唾液マーカーを同定し医療者は勿論、医科患者だけでなく、歯科患者にも有益な疾患予防情報を提供する。
逆流性食道炎(RE)に伴う酸蝕症(DE)の有病率は報告されているが、両疾患の重症度やDEと非びらん性逆流性食道炎(NERD)との関係は不明である。そこで、RE、NERDおよび健常対照者におけるDE有病率と重症度を調査した。その結果、RE・DE間の有病率および重症度のみ有意な関連が認められた。また、酸蝕病態などの臨床症状は、RE重症度に依存していた。さらに、REにおけるDE有病率に関連する因子ならびにDE重症度に関連する因子を評価した結果、唾液分泌量、RE重症度、PPI抵抗性はDE有病率と関連し、年齢、BMI、RE重症度はDE重症度と関連した。唾液分泌量の低下とBMIはDEの有意な因子であった。
胃食道逆流症は、逆流性食道炎(RE)と非びらん性逆流性食道炎(NERD)に鑑別される。胃食道逆流症と歯の酸蝕症(DE)との関連性は不明であるが、その要因としてREとNERDを混合してDEと比較していたことが挙げられる。そこで本研究では、医科歯科連携のもと、REとNERDの鑑別を行いDEとの関連性を検討した結果、NERDでは明確な関連性を認めなかったものの、REとDEとの間に関連性を認めた。また、REが重症化するとDEも重症化することが判明した。さらに、REにおけるDEリスク因子として唾液分泌量、RE重症度および薬剤抵抗性が、DE重症化リスク因子として年齢、BMIおよびRE重症度が挙げられた。
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