研究課題/領域番号 |
21K09906
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
岩崎 剣吾 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (40401351)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 歯周病 / 再生 / 間葉系幹細胞 / 歯根膜 / 幹細胞 / 歯周組織再生 / 細胞死 / 歯周組織 |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病は歯を支える組織が崩壊し最終的には歯を失う疾患である。これまでの研究で、幹細胞を歯周組織へ移植しても、幹細胞の定着が少ない事、幹細胞の細胞死が周囲の細胞を変化させる事が観察されていた。本研究の目的は、死細胞に由来する因子が組織再生へ影響を与えるかどうかについて検証する事である。本研究によって幹細胞による組織再生のメカニズムと、新しい再生治療法開発の足掛かりとなる情報の回収が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では間葉系幹細胞の細胞死によって放出される因子の歯根膜細胞への影響を検討した。その結果、間葉系幹細胞にネクローシスを誘導した際に回収される因子は、歯根膜細胞に作用させると含まれるタンパク成分を介して細胞の遊走および増殖を促進する作用を持つことが明らかとなった。またこの際、塩基性線維芽細胞増殖因子や肝細胞増殖因子が作用の一部を担っていることが考えられた。一方、間葉系幹細胞にアポトーシスを誘導した際に回収される因子をマクロファージに作用させると、M2マクロファージのマーカー発現を誘導した。間葉系幹細胞が細胞死に至る際に創傷治癒過程を修飾する因子が放出されることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
間葉系幹細胞がネクローシスあるいはアポトーシスを起こし細胞死に至る際に組織の創傷治癒過程を修飾する因子が放出されることが明らかとなった。間葉系幹細胞移植後には移植細胞の細胞死が生じることから、本知見は間葉系幹細胞移植による組織再生のメカニズムの一部を説明する可能性がある。また、ネクローシスを起こして細胞死に至った間葉系幹細胞に由来する因子は歯根膜細胞の増殖、遊走を促進する作用を持ち、アポトーシスを誘導した間葉系幹細胞からはマクロファージの分化を制御する因子が放出されることから、細胞死を誘導して回収した因子を用いた新たな歯周組織再生法の開発につながる可能性があると考えられる。
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