研究課題/領域番号 |
21K09999
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
來田 百代 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (10733082)
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研究分担者 |
小久保 喜弘 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 特任部長 (20393217)
小野 高裕 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (30204241)
高阪 貴之 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (40755360)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 歯周病 / 歯数 / 循環器病 / 歯学 / 咀嚼機能 / 動脈硬化 / リウマチ学 |
研究開始時の研究の概要 |
関節リウマチは、関節の腫れや痛みに始まり、関節の変形・破壊へと向かう進行性の自己免疫疾患で、要介護の1要因のみならず、病態の継続により血管炎にも及び、脳梗塞や心筋梗塞など、死に至る血管障害リスクも増大する。関節リウマチのリスク因子として、遺伝、喫煙、性別が挙げられるが、栄養との関連についての研究が行われるなど、不明な点も多い。近年、口腔と全身との関連について関心が寄せられている中で、歯周病と関節リウマチとの関連が新たに注目されている。そこで本研究は、歯周病ならびに咀嚼機能低下と、関節リウマチとの関連について、都市部一般住民を対象とした吹田研究の対象者約2,000名を4年間追跡し、明らかにする。
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研究成果の概要 |
都市部一般住民を対象に,国立循環器病研究センターにおいて,基本健診ならびに歯科検診を行った.その縦断データをもとに口腔と全身の健康について解析を行った結果,以下のような関連を見出した. 1,客観的な咀嚼能力の低下は,慢性ストレスの客観的な指標としての唾液IL-6レベルの上昇と相関している.2,歯周病とIMTとの関連について,高血圧のない対象者で,歯周病とIMTとの関連について有意な関連を認めた.またその関連は歯周病が重症になるにつれ,IMTの値が高くなる傾向があり,用量依存性であることが分かった.3,正常血圧の女性において,残存歯数とその後の循環器病発症との間に有意な関連を認めた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年,歯周病と全身疾患との関連が議論されているが,咀嚼能力との関連についてはほとんど検討されていない.また,多くの口腔健康と動脈硬化との関連についての研究は横断研究であり,その因果関係については明らかとなっていない. 今回の研究より,咀嚼能率の低下が慢性ストレスに関連しており,正常血圧の対象者では,歯周病とIMTとの関連が明らかとなった.縦断解析では残存歯数とその後の循環器病発症との関連が明らかになった.以上より,歯科での歯周病予防に加えて,歯数減少の予防,咀嚼能率低下を予防することにより,全身の健康に寄与する可能性が示唆された.
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