研究課題/領域番号 |
21K10003
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
渡邉 恵 徳島大学, 病院, 講師 (40380050)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 金属アレルギー / ケラチノサイト / セマフォリン / セマフォリン3A / 歯科金属アレルギー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、歯科金属アレルギーの病態形成の中で、最初に金属が付着する皮膚や粘膜上でのセマフォリン3Aを中心とした免疫反応に着目し、その発現を調節することで金属アレルギーの発症そのものを制御することを試みる。セマフォリン3Aは皮膚疾患に関わることが知られてきており、アトピー性皮膚炎や自己免疫疾患の治療ターゲットとして近年注目されている。本研究によりセマフォリン3Aが金属アレルギー発症に影響していることを明らかにできれば、金属アレルギーの新規治療方法の開発に寄与することができると考える。
|
研究成果の概要 |
本研究では,ニッケル(Ni)アレルギー誘発マウス耳介皮膚組織およびNiCl2刺激マウスケラチノサイトにおいて,Sema3Aの発現が上昇することを明らかにした.さらに,Sema3AはケラチノサイトにおけるTNF-αの産生とMAPキナーゼの活性化を制御していた.ケラチノサイトのSema3Aを特異的に欠失させると,樹状細胞やT細胞等の免疫細胞の浸潤には影響しなかったが,浮腫と耳介腫脹量が減弱した.この結果は,Sema3Aが金属アレルギーの症状を増強することを示しており,Sema3Aが金属アレルギーの予防と治療のための潜在的なターゲットとなる可能性を示唆している.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属アレルギーは本質的な病態解明が進んでおらず,発症メカニズムには不明な点が多く残されている.本研究により,金属アレルギーの症状の発現にセマフォリン3Aが関与していることが明らかとなった.アトピー等のアレルギー皮膚炎では,セマフォリン3Aの発現増強が症状の減弱に関与していることが知られており,今回の実験結果と逆の様相を示している.これはセマフォリン3Aが金属アレルギー特有の動きをしており,それ故に金属アレルギー治療のターゲットになる可能性を示している.有効な治療方法を開発する上で,本研究の意義は大きいと考える.
|