研究課題/領域番号 |
21K10050
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
山川 延宏 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (00526709)
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研究分担者 |
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70201465)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 局所再発 / 頸部リンパ節転移 / 口腔癌 / 腫瘍浸潤先端部 / 再発・転移 / 予後予測因子 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔癌の再発・転移や予後の予測は手術標本から得られる病理組織学的な因子により行われているが、これら予測因子のみでは予測できない症例が少なくない。そのため、再発・転移や予後に関与する因子の検索が行われている。特に近年では、新たな病理組織学的な因子を含め、腫瘍浸潤先端部に着目した検討が行われている。 本研究では、口腔癌患者の治療成績向上のために、再発・転移を起こしている悪性度の高い腫瘍における特異的な遺伝子の解明を腫瘍浸潤先端部に注目して行い、再発・転移のメカニズムにかかわる因子を明らかにすることである。再発・転移に関わる新たな遺伝子が同定できれば、治療効果の向上や新たな治療法の開発が期待される。
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研究実績の概要 |
口腔癌の手術後に再発・転移や予後の予測は手術標本から得られる病理組織学的な因子により行われているが、これら予測因子のみでは予測できない症例が少なくない。そのため、再発・転移や予後に関与する因子の検索が行われている。 本研究は、これまでの病理組織学的な再発・転移予測因子に加え、新たな因子を解明し治療成績の向上につなげることを目的としている。さらに、再発・転移にかかわる遺伝子の同定を行い、治療効果の向上や治療法の開発を目指している。 2021年度は、2008年から2018年にStage I, IIと診断された早期口腔扁平上皮癌症例152例を抽出し、患者背景などの情報を集積し、再発・転移を認めた症例の予後が悪いことを確認した。症例をさらに絞り込むため、2022年度は早期舌癌に絞り再度検討を行った。対象症例は2017年まで適応されていたStage分類が採用されていたため、2017年に改定された分類を採用し再分類を行った。同様の期間では84例の早期舌癌患者が抽出された。全対象症例の5年生存率は78.0%であり、再発や頸部後発転移を認めた症例の5年生存率は49.7%であり、再発や転移を認めなかった症例の92.3%に対して統計学的に有意に悪いことが明らかとなった。再発や転移に係る因子として単変量の解析では、腫瘍に浸潤深さを示すDepth of invasion(DOI)が4mm以上の症例では再発転移が多いことが明らかとなった。一般的な、再発転移の因子とされているT分類(T1 vs T2)や切除断端(陽性・近接 vs 陰性)では有意差を認めなかった。2023年は摘出標本からの遺伝子の抽出等を計画したが、計画を当初の計画通りに進まなかった際の対応に記載していたPD-L1の発現状況の解析のため、症例の偏りを統計処理によりマッチングさせPD-L1の発現状況を確認するための準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
技術的な問題から標本作成、遺伝子の抽出が順調に進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通りに進めるには技術的な問題の改善や予算の不足が予測されるため、研究計画書に、計画通りに進めなかった際の対応としても記載しておいたPD-L1の発現率を中心に解析し、従来の予測因子に加えPD-L1の発現が早期がんの頸部リンパ節転移や予後に影響を与える因子の同定を行う。
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