研究課題/領域番号 |
21K10082
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小柳 裕子 日本大学, 歯学部, 准教授 (20609771)
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研究分担者 |
小林 真之 日本大学, 歯学部, 教授 (00300830)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | イソフルラン / 大脳皮質 / 抑制性シナプス伝達 / ホールセル・パッチクランプ法 / 吸入麻酔薬 / 抑制性シナプス後電流 |
研究開始時の研究の概要 |
全身麻酔を行うときには,意識を消失させるために全身麻酔薬が用いられる。しかし,なぜ全身麻酔薬で意識がなくなるのかはまだ完全には分かっていない。 全身麻酔薬は大きく分けると,ガスを吸入する吸入麻酔薬と,点滴から麻酔薬を流す静脈麻酔薬に分類できる。この研究課題は,吸入麻酔薬に焦点を当ててその作用機序解明に寄与することを目指す。意識を形成していると考えられている脳領域である大脳皮質において,細胞の活動を抑制する信号である抑制性シナプスに着目し,吸入麻酔薬の作用を検討する。
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研究成果の概要 |
VGAT-Venusラットを用いて大脳皮質急性脳スライス標本を作製し,単一抑制性シナプス伝達(uIPSCs)に対するイソフルランの修飾作用を検討した。その結果,イソフルランはuIPSCsの振幅,半値幅,およびcharge transferを増大させる傾向が観察された。さらに2発目に対する1発目のuIPSCの振幅比であるpaired-pulse ratioは増大する傾向を認めた。これらの結果から,イソフルランは抑制性シナプス前細胞に作用してシナプス終末からのGABAの放出を抑制する一方,シナプス後膜に存在するGABA(A)受容体の作用を増強する可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今後はシナプス前細胞および後細胞の種類の違いによるイソフルランのuIPSCs修飾作用の強度の違いを調べ,これまでに我々が示してきた静脈麻酔薬プロポフォールによるuIPSCs修飾様式と比較することで,全身麻酔薬には共通の類似したシナプス伝達修飾作用があり麻酔作用を発揮するのか,それとも異なるシナプス伝達修飾作用の結果として類似した麻酔作用を発揮するのかがわかり,意識を形成する脳機能の解明につながると考えられる。
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