研究課題/領域番号 |
21K10163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
岩浅 亮彦 徳島大学, 病院, 診療支援医師 (90746025)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 特発性下顎頭吸収 / アロマターゼ / エストロゲン / MCP-1 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、矯正歯科臨床において、診断・治療を複雑化させるICRの病態形成メカニズムを解明しようという取り組みであり、近年、肥満により増加し、全身の様々な臓器において炎症を引き起こすとされるMCP-1が、顎関節での炎症性病態に関与しているのではないかといった仮説に基づき、ICRの骨軟骨破壊メカニズムの解析を行う。 また、本研究では、ICRの発症・増悪因子の一つとされるエストロゲンの産生量が低下したArKOマウスを使用することで、エストロゲン低産生による肥満と、それによるMCP-1発現亢進に着目することで、顎関節での骨・軟骨組織における新たな炎症病態メカニズムを明らかにする予定である。
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研究成果の概要 |
生後早期のマウスに過開口を行うことでICRモデルマウスを作成し下顎頭を抽出し、マイクロCT撮影を行うことで、表面性状の粗造化がみられ、骨密度(BV/TV)、骨梁幅(Tb. Th)、骨梁数(Tb. N)の減少を示す可能性が考えられた。 臨床統計学的研究成果として、ICR患者下顎頭での形態計測学的解析を行ったところ、ICR患者では下顎頭近遠心幅径(Condylar width)、下顎頭高径(Condylar height)、下顎頭長軸角(Condylar axial angle)において有意に小さな値を示し、CT画像を用いた下顎頭の形態計測学的解析が、ICRの鑑別診断の一助となる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに、マウス顎関節におけるエストロゲン低産生が炎症状態を引き起こし、顎関節部での骨・軟骨破壊に及ぼす影響を検討した報告はほとんどない。これは、顎関節の構造が複雑で、エストロゲンだけではなく、多くの因子が顎関節症に関与している事が一因である。 本研究では、ArKOマウスに早期にメカニカルストレスを与えることでICRモデルマウスを確立し、エストロゲン低産生によって増加したMCP-1を主体とした炎症状態が顎関節の骨・軟骨破壊に関与していることを明らかにするといった革新的な挑戦であり、ICRの病態解明、診断・治療方法の確立の一助となる重要な研究であり、その社会的意義は高いと考えている。
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