研究課題/領域番号 |
21K10182
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
川崎 勝盛 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40529640)
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研究分担者 |
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
大峡 淳 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40266169)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 上顎正中過剰歯 / 一次線毛 / 一次繊毛 |
研究開始時の研究の概要 |
歯の数や形は、発生過程において厳密な遺伝子により制御されており、その制御に異常が生じた場合、歯の数や形の異常が引き起こる。過剰歯はその一つであるが、ヒトに生じる過剰歯の9割は上顎正中部で発症する。これは、上顎正中部に、他の部位とは異なるなんらかの特殊な分子機構が存在する事を示唆している。本研究は、上顎正中過剰歯発症のメカニズムを解明することを目的とする。正中過剰歯が誘発される要因が解明できれば、その原因の兆候を歯科検診などで事前にスクリーニングし、過剰歯が形成される前に形成を抑制できれば、上顎正中過剰歯による矯正治療などは回避できる。
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研究実績の概要 |
ヒトに生じる過剰歯の9割は上顎正中部で発症する。これは、上顎正中部に、他の部位とは異なるなんらかの特殊な分子機構が存在する事を示唆している。さらに、正中過剰歯は、男児が女児の倍の頻度で発症するなど、性別的要因も存在するが、上顎正中部における高頻度な過剰歯発症の原因は全く解明されていない。我々は一次線毛の構成タンパクを組織特異的に欠損させたマウスを作成したところ、ヒトと類似した上顎正中過剰歯の表現型を見出した。本研究はこの組織特異的欠損上顎正中過剰歯モデルマウスを検索することにより、上顎正中過剰歯発症のメカニズムを解明することを目的とした。Wnt1Creと交配した一次線毛特異的欠損マウスにのみ、上顎正中過剰歯を認め、このマウスにおける正中過剰歯発生時の上皮を、経時的かつ3次元的に形態変化を確認したところ、正中過剰歯は通常の上顎切歯と同様に胎生11.5日~12.5日に上皮の肥厚が始まるが、正中過剰歯を解析した結果、過剰歯発生時にPtch1およびGli1の発現に異常を認めた。そこで、ビーズを用いた器官培養法により、胎生11.5日齢の上顎切歯部にShhのアゴニストおよびアンタゴニストを奏効させ培養したところ、上顎切歯部の形成に異常を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
野生型マウス上顎切歯にShhシグナルを亢進または抑制する薬剤を奏効させ、培養を行ったところ歯胚形成に異常を認めたことは大きな進展であった。一次線毛とShhシグナルの関係を報告している論文も多い。今後は、組織特異的欠損上顎正中過剰歯モデルマウス上顎切歯部にShhのアゴニストおよびアンタゴニストを奏効させ、上顎正中過剰歯形成への影響を確認する。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、組織特異的欠損上顎正中過剰歯モデルマウス上顎切歯部にShhのアゴニストおよびアンタゴニストを奏効させ、その結果を確認する。
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