研究課題/領域番号 |
21K10192
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
森川 和政 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (70514686)
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研究分担者 |
橋口 大輔 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (00625965)
古株 彰一郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (30448899)
細見 周平 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60554938)
齊藤 桂子 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (70788744)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 肥満 / 味覚受容体 / 脂肪 / 小児肥満 / Tas1r3 / 脂肪細胞分化 / 間葉系幹細胞 / うま味受容体 / エネルギー代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
味覚受容体は口腔外のさまざまな組織に存在し,感受性が低い受容体の遺伝子多型も知られる.このような場合,味覚を司る以外の受容体の機能も考慮しなければならない.肥満は小腸から吸収されるエネルギーが骨格筋や褐色脂肪細胞におけるエネルギー消費を上回り,余剰分が脂肪組織に蓄積される病態である.予備的からエネルギー代謝臓器である骨格筋と褐色脂肪細胞の恒常性維持にうま味受容体を介したアミノ酸シグナルが必須である可能性が示唆された.そこで本研究ではアミノ酸フローを構成する臓器である小腸,骨格筋,褐色脂肪細胞の特異的うま味受容体KOを用いて,エネルギー代謝や肥満におけるそれぞれの役割を明らかにする.
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研究実績の概要 |
肥満の増加は世界的な問題である.成人の肥満者では高血圧症,糖尿病,脂質異常症に罹患する確率が高くなる.肥満は食事や運動などの生活習慣に影響を受けて発症する生活習慣病の一つとされる.一方で,一卵性双生児や血縁関係はないが生活習慣を共にする家族の解析から,肥満の成因には遺伝的要素が大きいことがわかってきた.さらに肥満形成に子宮内や生後早期のさまざまな環境因子によるエピジェネテックな変化,すなわちDNA配列の変化を伴わない遺伝的な変化も関わる.つまり,成人期の肥満は小児期にはすでに形成されている可能性が高く,実際の調査においても,学童期肥満の4割,思春期肥満の7割は成人肥満に移行すると言われている. 食習慣の異常は強力な肥満症の原因であるとされ,そのため食物の選択に大きな影響を与える味覚と肥満との関連がこれまで調査され,肥満者では正常体重者と比べて甘味感受性やうま味感受性が低下しているとの報告がある.これらはいずれも味覚感受性が低下することで,甘味やうま味感覚が満たされず,その結果過食となり肥満になると解釈される.しかし,Tas1Rファミリーは口腔内以外にも広く発現しているため,甘味ないし、うま味感覚の低下を肥満の原因と考える際には,口腔外の各組織における味覚受容体の機能低下を引き起こす遺伝子変異などにも考慮する必要がある. Tas1r3コンベンショナルノックアウト(Tas1r3 KO)にHigh-fat + high cholesterol +high fructose(HFCD)を食べさせて飼育したところ,8週後、野生型腹子(WT)に比べて体重の増加が少なかった.Tas1r3とWTの摂食量に差はなかったことから,Tas1r3は全身のエネルギー代謝を制御している可能性があることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
意義深いデータが出はじめているが,組織の解析が若干遅れているため.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,Tas1r3のノックアウトマウスの解析を中心に行なっていく.
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