研究課題/領域番号 |
21K10202
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
小林 恒 弘前大学, 医学研究科, 教授 (50234860)
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研究分担者 |
福田 はるか 弘前大学, 医学部附属病院, 医員 (60816594)
秋山 なつみ 弘前大学, 医学部附属病院, 医員 (80867375)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 口腔内細菌叢 / 脂質異常症 / β多様性 / PERMANOVA / 生活習慣病 / 口腔内細菌 / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 歯周病菌 / 社会医学 / 口腔内環境 / 歯周病 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔内細菌は腸内細菌と同様に1つの臓器として全身疾患とくに生活習慣病に関係しているといわれている。また、口腔内細菌は喫煙、歯数、口腔清掃習慣、食事、歯周病のような口腔内疾患と密に関連して変化している。この研究では一般地域住民を対象に口腔内環境・口腔細菌叢と生活習慣病との因果関係を一度の調査(横断研究)のみではなく経時的な変遷(縦断研究)を含めて検討することで、口腔内環境と口腔細菌叢が生活習慣病に与える影響を明らかにすることを目的として計画している。以上の結果から口腔環境の改善が生活習慣病予防の1つとなる可能性が期待できる。
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研究実績の概要 |
2022年度の岩木健康増進プロジェクト・プロジェクト健診は予定通り行うことができた。口腔内細菌叢解析と口腔内診査の他、舌苔の位細菌数の測定を行った。口腔内細菌叢解析は現在行っているところであり、データとしてはまだ入手出来ていない、そのため過去のデータ(2017年)を用いて縦断的に口腔内細菌叢の生活習慣病の中から脂質異常症を選択し、口腔内細菌叢(マイクロバイオータ)の構成の違いを統計学的に解析した。当初、脂質異常症の有無を参加者から聞き取った既往歴のデータを用いて解析したが、有意な差は認めなかった。そこで血液データで脂質異常症の診断(HDLコレステロール 40mg/dl以下,中性脂肪 150mg/dl以上、LDLコレステロール 140mg/dl以上)を満たすものとそれ以外の細菌叢の類似性(β多様性)をPERMANOVAにより解析したところ脂質異常症有無で2群のマイクロバイオータに有意な差を認めた(p=0.042).2017年から2019年にかけて新たに脂質異常症が発生したか否かで2017年時のマイクロバイオータのβ多様性を同様にPERMANOVAにより解析したところ同様に有意な差を認めた(p=0.037)。 次に2019年に新たに脂質異常症の発症に影響を及ぼす個々の細菌属を多変量解析により探索した。Atopobium, Porphyromonas, Leptotrichia, Abiotrophiaが有意に関連していることが確認された。口腔細菌叢全体に強い影響を及ぼすとされるPorphyromonas属に関しては脂質異常症の発症とは関連していなかった。しかし、Porphyromonas比の平均値で2分した2群間における口腔内細菌叢の構成パターンに有意な差を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進展しているが、口腔内細菌叢のデータ解析に時間を要しているため2022年のデータがまだ完成していない。そのため一部の解析が進んでいないが、過去のデータを用いることで口腔内細菌叢と脂質異常症との関係解明は進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2022年の口腔内細菌叢データが完成したら、口腔内細菌数のデータを利用して各細菌の比率から実際の細菌数を計算して、脂質異常症発症に関与する細菌を特定する。方法としては主成分分析を行い主成分と思われる細菌をピックアップして発症に関与するか多変量解析(ロジスティック回帰分析)を行い細菌を特定する。また特定した細菌が、細菌叢全体に与える影響をさらに解析する予定である。さらには血液データの中性脂肪の数値と関連する細菌を重回帰分析を用いて特定する。
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