研究課題/領域番号 |
21K10237
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
田口 千恵子 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (80434091)
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研究分担者 |
布施 恵 (長井恵) 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (30343578)
有川 量崇 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (50318325)
Bhawal Ujjal 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (50433339)
竹内 麗理 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (60419778)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アスピリン / 歯周病 / マクロファージ / 欠損治癒 / 欠損治癒率 / iNOS / 歯周組織 |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病は成人以降において口腔のみならず、全身疾患の発症と密接に関連している。歯周病予防は重要な課題であり、口腔保健の向上に大きく貢献することが明確である。 現在、骨移植、歯周組織再生誘導法(GTR)、骨誘導再生法(GBR)などにより、歯周組織再生能力の改善はみられるが、長期の慢性炎症に対する歯周組織の生理的構造と機能の回復には至っていない。そこで、低分子薬の局所使用が宿主の免疫調節による骨欠損の修復と再生を大幅に促進することが明らかとなった。 本研究では、骨の修復と再生に重要な役割を果たすマクロファージに対し低分子薬であるアスピリンが歯周炎の骨欠損の修復を効果的に促進できるかどうかを検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、マクロファージ細胞株を用いて、マクロファージのM1/M2極性化に対するアスピリンの効果を観察し、鍵となるシグナル伝達分子を同定することである。 結果、アスピリンはLPSによって誘導されるマクロファージの活性化を抑制し、組織修復におけるマクロファージのM1/M2極性化に影響を与えることが明らかになった。アスピリンの至適濃度は200μg/mlで、マクロファージのアポトーシスやM2マーカーの発現に影響を与えることなく、LPS誘発iNOSの発現を効果的に阻害した。アスピリン投与はまた、骨髄間葉系幹細胞の遊走、創傷治癒、骨形成に関する分化を促進した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯周病に関する研究では、歯周組織再生が広く行われており、歯周組織再生能力がある程度改善されている。しかし、長期の慢性炎症に対する歯周組織の生理的構造と機能の回復には至っていない。そこで、低分子の非ステロイド性抗炎症化合物であり、広く供給され、薬理作用が明確で、安価で、低副作用、容易に投与できるアスピリンに着目した。結果、アスピリンが、歯槽骨欠損の修復を促進する局所適用の可能性を示したことから、重要な科学的証拠を提供するとともに、歯周組織の修復および再生を促進する薬剤の新たな臨床応用を提供した。
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