研究課題/領域番号 |
21K10253
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岡 広子 広島大学, 医系科学研究科(歯), 主任特任学術研究員 (60452588)
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研究分担者 |
北川 雅恵 広島大学, 病院(歯), 助教 (10403627)
宮内 睦美 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (50169265)
加藤 文紀 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (70452589)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 硬組織 / メチル化 / 年齢推定 / 歯 / 石灰化 / 歯科法医学 / 歯周組織 / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
年齢推定は身元確認や犯罪捜査できわめて重要である。硬組織(歯、骨)は火災や腐敗でも最後まで残存し、年齢推定によく用いられる。硬組織の年齢推定法の指標は石灰化がもたらす加齢変化によるものが多いが、測定には機材を用いた撮影や検体の大きな切り出しが必要となる。一方で、石灰化をもたらす生化学的指標と実年齢との関連を検証した報告はない。 本研究は、「硬組織構成細胞の石灰化を反映するDNAメチル化の指標の評価」と「リアルタイムPCRを用いた微量硬組織検体の石灰化を指標とする年齢推定法の確立」を目指し、石灰化に関連する生化学的指標に注目し、年齢推定法の確立を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、硬組織構成細胞の石灰化と関連するメチル化ターゲットを抽出して実際の硬組織検体での実年齢との関連を検証し、硬組織微量検体からの年齢推定法の構築を目的とした。歯根周囲由来のセメント芽細胞株を用いた検討では、細胞の増殖と分化にDNAメチル化が関与していること、石灰化により様々なDNAメチル化が変化することを示した。また、抜去歯を用いた検討では、実年齢と相関するDNAメチル化ターゲットを抽出した。年齢を目的変数とし、抽出したメチル化ターゲット(生化学的指標)と歯槽骨吸収の有無(形態学的指標)を説明変数とした回帰式を得た。得られた式は、生活習慣(喫煙、コーヒー摂取)の影響を受けていなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歯根周囲から得た微量なDNAから、リアルタイムPCRを用いて得られるFHL2メチル化スコアを年齢推定への応用の可能性が示された。また、今回ターゲットとした歯根周囲のDNAメチル化部位は喫煙やコーヒーの日常摂取の影響を受けていないことが明らかとなった。 身元不明の腐敗遺体や白骨であっても、顎骨に植立された状態であれば分析対象となる歯を支持する歯槽骨吸収の程度もエックス線撮影や肉眼で非破壊的に評価可能である。微量の試料採取と非破壊的検査による本研究のアプローチは、遺族感情に寄り添い資料保存も可能となる年齢推定法への展開に大きく寄与するものと考えられた。
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