研究課題/領域番号 |
21K10370
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中村 絵里 千葉大学, 未来医療教育研究機構, 特任助教 (70844398)
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研究分担者 |
伊藤 彰一 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (60376374)
大西 好宣 千葉大学, 国際未来教育基幹, 教授 (70639749)
松本 暢平 千葉大学, 国際未来教育基幹, 助教 (30737755)
山田 知子 (稲川) 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30714852)
伊藤 晃成 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (30323405)
酒井 郁子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (10197767)
野崎 章子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 講師 (90361419)
カズノブ ダビッド 千葉大学, 大学院看護学研究院, 助教 (10646657)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | グローバルコンピンテンシ― / 国際性の涵養 / 多様な価値観の受容 / 留学評価 / 短期留学 / オンライン留学 / 海外渡航留学 / グローバルコンピテンシー / 超短期留学 / 医療系学生 / 全員留学 / グローバル人材育成 / 高等教育の質保証 |
研究開始時の研究の概要 |
高等教育において、医療系の学生が、短期留学により国際感覚を養う契機を得ることは、コミュニケーション能力を備えた医療人材を輩出し我が国の医療の向上に資する観点からも意義がある。しかし、従来の留学評価は事後の主観に基づく調査が多く、留学の客観的評価はほとんど行われていない。 本研究の対象は、千葉大学の医学・薬学・看護学の3つの医療系学部・大学院で2025年度までに入学する全学生約2,000人である。全員留学を行うことから留学動機、海外経験、語学能力など多様な背景を持つ学生が対象となる。混合研究法により、学生の学習効果と意識変容の包括的評価を行い、留学の効果的なプログラムづくりに貢献する。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、学生の渡航留学数がオンライン留学数を上回り、渡航留学者のデータを多く収集することができた。この結果、留学の教育的効果について、オンライン留学と渡航留学を比較して分析することができた。 1)主観的調査(意識や行動に関する調査)では、留学前の自己評価の結果、3つのコンピテンシー(協働力、主導力、遂行力)の平均値は高かったが、主導力は、ほかの2つと比較して平均値が低かった。留学後には主導力に対する自己評価が向上し、短期留学を経て、異なる文化・国の学習環境でもリーダーシップを発揮したり、アイデアを提案したり、積極的に発信したりすることに対して、自己効力感を高めたことがわかった。2)客観的調査(BEVI)では、調査対象学生は、BEVIの世界平均値と比較して、社会文化的事柄への寛容度、地球環境や持続可能性への関心度、グローバル社会への関与度が低い傾向にあったが、留学後にいずれの項目も上昇した。またオンライン留学と渡航留学を比較したところ、社会文化的事柄への寛容度がオンライン、渡航どちらも著しく上昇していた。一方で、ジェンダー、地球環境、グローバル社会への関心度は、オンラインよりも渡航留学の方が事後に大きく向上していた。さらに、BEVIで測定されたグローバルなアイデンティティの弱い群が、留学後にグローバル社会への関心度を大きく向上させていた。つまり、もともと海外志向の高くなかった学生が、卒業要件の単位修得といった外発的動機により短期留学を経てグローバル意識を高めており、全員留学が、学生の国際性の涵養や価値観の変容に効果をもたらすことが示唆された。3)留学後のインタビューでは、15名の学生の協力を得た。留学の関心度が低かった学生が、短期留学を契機として、外国人との交流、語学習得、長期留学、海外在住や就職などに前向きな意識を持つようになったことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3つの調査(主観的調査:意識や行動に関するアンケート、客観的調査:BEVIを用いたWebテスト、インタビュー調査:半構造化インタビュー)を、計画通りに遂行した。研究の成果は、複数の学会で発表し、論文化した。 令和5年度の後期には、主観的調査の対象学生を、医療系学部だけでなく、学内の他学部にも展開した。今後は、学生の所属学部間の比較分析も実施できるように、令和5年度後期以降の調査データを解析する。
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今後の研究の推進方策 |
研究4年目を迎え、これまでに蓄積したデータを集約して、留学による学びの包括的な評価を遂行していく。また、令和5年度後期から、対象学生の所属学部・大学院を拡大したことを受け、今後は、学部間の比較、専攻分野別の比較など、学生の背景区分により、留学効果がどのように表れるのかを明らかにしていく。 令和6年度の研究スケジュールは、次のとおりである。4月~5月:令和5年度後期の調査結果の集約とデータ解析、6月~10月:研究成果発表(学会発表、論文化)、令和6年度前期留学プログラム履修者対象のアンケート調査実施、11月~3月:令和6年度後期留学プログラム履修者対象のアンケート調査実施および結果集約とデータ解析。
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