研究課題/領域番号 |
21K10461
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
谷口 優 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康領域, 主任研究員 (40636578)
|
研究分担者 |
星 旦二 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 名誉教授 (00190190)
小林 真朝 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (00439514)
山本 和弘 帝京科学大学, 生命環境学部, 教授 (10803918)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | ペット飼育 / 犬 / 猫 / 喘息 / 犬飼育 / 猫飼育 / リスク / ペット / 疫学調査 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトと動物の相互関係に関する研究は、欧米を中心に成果が蓄積され、身体・心理・社会的な効果が報告されている。一方で、動物が及ぼすヒトへの負の影響も明らかにされており、人獣共通感染症による健康被害や、動物由来のアレルゲンによるアレルギー症状等が挙げられる。特に、ペット由来のアレルゲンへのばく露は、アレルギー性肺疾患の発病要因及び増悪因子に分類されている。 本研究は、既存のインターネット調査の機会を活用して、犬猫の飼育経験の調査及び喘息の既往歴の調査を追加することにより、出生時から高齢期まで間の犬猫飼育経験と喘息との関連との関連性を後ろ向き研究により明らかにする。
|
研究成果の概要 |
研究計画に基づき、一般社団法人ペットフード協会が実施する既存の調査の機会を活用し、インターネット調査により犬猫の飼育経験の調査及び喘息の既往歴に関するデータ(2021年n=4317、2022年n=4118)を収集した。 2021年調査で収集したデータを用いて犬猫の飼育経験別に喘息の発生リスクを重要な交絡因子(性別、居住形態、世帯収入、家族の数、アレルギー既往歴、追跡年数)を調整して比較した結果、犬の飼育経験有に対する無のオッズ比(95%CI)は2.01 (1.45-2.78)であり、猫での飼育経験無のオッズ比は2.24 (1.56-3.23) であった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究から、犬及び猫の飼育経験者の喘息の発生リスクが、非飼育者に比べて低いことが示され、層別解析により犬の飼育者においては飼育開始年齢が早い程喘息発生リスクが低いことが明らかになった。一方猫の飼育者における喘息発生リスクは、飼育開始年齢に関係なく一定であった。 これまでの先行研究から、ペット飼育による喘息発生リスクの上昇が報告されている一方で、欧米の先行研究からペットへのばく露が喘息発症に保護的に作用することを報告した研究も報告されている。本研究から、我が国におけるペット飼育環境は、飼育者に対する喘息発症に保護的に作用する可能性が示され、更に犬の飼育は若年期に臨界期が存在する可能性が示唆された。
|