研究課題/領域番号 |
21K10620
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
杣木 佐知子 大阪医科薬科大学, 看護学部, 助教 (70879775)
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研究分担者 |
真嶋 由貴恵 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 教授 (70285360)
中村 裕美子 大阪公立大学, 研究推進機構, 客員教授 (10299266)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 訪問看護ステーション / 人材育成 / ICT / 臨床経験 / 利便性 / 新任看護師 / 人材育成ツール / 視覚化 / インストラクショナルデザイン / 経験学習 / ARCSモデル |
研究開始時の研究の概要 |
新任看護師の臨床経験値(強み)を生かした学習設計と主体的な学習を支援する人材育成ツールを開発するために,まず,学習前に臨床経験で習得しているスキルを入力させ,データーベースを基に,不足するスキルを自動抽出させる.次に,学習機会の設定は,強みと弱みの視覚化シートの記入で整理し,面談で決定する.実施は,OJTにより進め,評価は,シートの記入と面談で行う.習得したスキルと生かされた臨床経験はイラストで表示させる.このツールは,SlackやTeams等の既に開発され利用可能なコミュニケーションツールを介して実施し,Googleスプレッドシート等のファイルをやり取りしながら進める.
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研究実績の概要 |
Excelを用いて開発した人材育成ツールの試作品を用いて,2ヶ所のステーションの新任看護師と教育担当者のペア2組を対象に,パイロットスタディーを実施した.調査は,新型コロナウイルス感染症の蔓延の影響を受けて,当初の予定より大幅に実施が遅れ,2022年8~9月に研究研究依頼を郵送し,データの回収は2023年3月に行った. 実施方法は,人材育成ツールのファイルの入ったUSBを対象者に郵送し,パソコンを用いてファイルを新任看護師と教育担当者が共有し実施してもらった.有用性と教育効果の評価は,人材育成ツールの使用前と使用後に,新任看護師と教育担当者それぞれにアンケート調査を行った.今後は,結果を用いて評価を行う. 人材育成ツールの開発内容については,国際学会で発表を行った(IIAI AAI 2022)その他,人材育成ツールを実際に現場で活用していくため示唆を得る目的で,「DXの時代に,新・看護実習サポートシステムCanGo5.0の果たす役割」(第42回日本看護科学学会学術集会),「Society5.0時代の看護技術教育システムについて考える」(第42回日本看護科学学会学術集会)のテーマで交流集会を行った.また,訪問看護ステーションのフィールド調査を行い,ICTの活用状況のヒアリングやアンケート調査を行った.調査を行った訪問看護ステーションでは,すでに電子カルテ,コミュニケーションツール,多職種連携アプリなどを利用していたが,情報が各アプリに散在していることや,業務が多忙で教育時間が捻出できないこと,訪問看護師間での利用者の情報伝達がスムーズに図れていないことなどの課題が多いことが分かった.さらに,人材育成ツールの使用後のアンケート結果からは,ツールの使用の利便性に関する問題点の指摘があり,パソコンを使用せずに使用できる方法を検討する必要があることが分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の蔓延により,当初の予定よりも研究の実施が大幅に遅れたが,パイロットスタディとしては有効なデータが回収できたことから,今後人材育成ツールの評価を行うことができる.
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今後の研究の推進方策 |
パイロットスタディでの結果を検証し,人材育成ツールの有用性と教育効果についての成果発表を行う.また,人材育成ツールの運用に向けて,訪問看護ステーションのICTの環境整備と教育時間の捻出のための業務のスリム化に向けた具体策を検討していく.
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